第四章
見事ダイダロスを倒し、その首を持って本部へと帰ってきたマキナとアリス。
「ゲイルさん達の言った通りダイダロスを倒してきましたよ。」
そう言い俺とアリスは2人がかりで運んできたまだ生暖かいダイダロスの首を見せた。
「すまなかった。我々は、どうやら君達を馬鹿にし過ぎていたようだ。」
「ではRTEはこの5ペア10人で頼んだよ。まぁいきなり10人で地球奪還してこいって言っても無理だろうから、まずは旧ニュージーランドあたりを奪還しよう。」
そして俺とアリスの休養と最新鋭の装備が必要として2日間の準備期間が与えられた。
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【2日後】
俺達はすっかり変わり果てた姿となった地球へと出発した。
旧ニュージーランドに無事にたどり着いた俺達だったが、ヤツらが多すぎて拠点を作ることが出来ないでいた。
ダイダロス級の人型の敵はいないものの、ライデンやヒューリーのような動物型が倒しても倒してもどこからか湧いて出てくる。
そこでゲイルと共にこの部隊の指揮をとっている五皇の1人イリアスが、この湧いてくるヤツらを三帝と五皇で抑えている間に俺とアリスで拠点を作るという作戦を立てた。
俺とアリスは後方で能力を使いながら拠点を素早く設営し終えたので、ゲイルとイリアスに報告しようと前線の方に行ってみるとそこにはゲイル達の姿はなく、ヤツらの死体だけが大量に転がっていた。
「えっ!?みんなどこ行っちゃったの?」
アリスがそう言うのも無理はない。
地平線まで見渡しても見つからないのだから。
「無線を使える範囲にはいないみたいだし、ここで待ってるか。」
そうは言ったものの何もする事がない。
俺達は暇潰しに近くにあるヤツらの死体を一ヶ所にまとめることにした。
「はぁ、どこまで行ったんだか。」
「少なくとも5キロ圏内にはいないだろうね。」
8方向に1人ずつ展開してたはずだからきっと今も1人のはずだ。
「いくら三帝と五皇が強いからって全員が単独で行動するのは危険な気がするよな?」
と話していると拠点にある本部との通信をするためのパソコンにメールが届いた。
俺達は手持ちの携帯機でそれを知り、作業を切り上げて拠点に戻った。
「こんな時に本部からメールかよ?」
メールには目を疑いたくなるような事が書かれていた。
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三帝は裏切り者の可能性がある。
30分程前から三帝全員からの定期通信が同時に途絶えた。
それも全員同じ場所でだ。
まだ裏切り者だと決まったわけではないが三帝を追ってくれ。
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メールにはそう書かれていた。
「ゲイル達が裏切り者とか本部は何とぼけてるんだか。なぁアリス?」
とアリスの方を見るとイリアス達【五皇】が帰ってきていた。
イリアスにその事が本当かどうか聞くと、本当だと言った。
「どうやら三帝は【ロード】という組織の者らしい。そしてその組織も俺達と同じ様に地球に来ている。とゲイルが最後に俺達に言い残した。」
イリアス曰く、目的は不明らしいが敵ではないと言うことだった。
俺達はその事を本部に伝えその日の活動を終えた。