第二章
月の本部に帰ってきたマキナ達は、司令に合同演習の報告をしていた。
「司令、ホント何のつもりでこんな合同演習させたんですか?一般兵が足手まといで邪魔でしたよ!」
とマキナが司令に愚痴を言うと司令は、
「まぁまぁそう言わないで次からはちゃんと特殊部隊だけの任務に就かせてあげるからさ。」
と言った。
なぜだかその時の司令はニヤニヤしていた。
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司令室を後にしたマキナとアリスは、自室に戻っていた。
「あの司令絶対何か企んでるぞ!アリスもそう思わないか?」
「そうかなぁ?私は気のせいだと思うよ。」
「気のせいならいいんだけどな……」
そう言い俺はベッドで寝た。
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俺達は不意になった司令からの呼び出し音で起きた。
まだ夜中の2時だ。
こんな時間に呼び出すとは、いったい何を考えているのか全く分からない。
俺達が司令室に行くとそこには、すでに俺達以外に4ペアいた。
いずれのペアも名の通った超有名特殊部隊所属のエリート中のエリートばかりだ。
俺達なんかとはそれこそ格が違う。
「これで全員揃ったようだね。」
司令がそう言うと、その場にいた全員が司令に何故呼ばれたのかを聞いた。
司令からその答えを言われた次の瞬間、その場の全員が驚きの表情を隠せないでいた。
司令の口から言われたその作戦名は【regain・the・EARTH】
そう地球奪還である。
地球奪還計画(以後RTE)は惑星再生計画(以後ARP)の中でも最優先で遂行するべき作戦であるとされている。
何故、皆が驚いているかと言うと……
今までも何度かこの作戦は行われたとされているが、いずれも部隊全滅により失敗したため凍結したと聞いていたからだ。
「この時期に突然凍結されていた作戦を再開すると言うことは、何か考えでもあるのですか?」
と聞いたのはエリートの1人にして雷帝の通り名を持つゲイルだ。
ゲイルは雷を自在に操るという希少能力を持つ三帝の内の1人だ。
ゲイルが司令にそう聞くと
「それはもちろん君達、三帝そして五皇と言う今までの能力者とは格が違う能力者が揃ったからだよ。」
「それは納得しましたが、ではあの後ろの2人はどう説明するつもりですか?彼らは特殊部隊の中では優秀かもしれませんが我々と一緒では足手まといにしかならないのでは?」
全くその通りであると俺とアリスは思っていた。
すると司令が恐ろしい事を言い出したのだ。
それは、三帝及び五皇が俺達が本当に足手まといなのかを判断しろと言うものだった。
「では、ダイダロスを一匹倒してこい。」
「えぇ~!ダイダロスって月の裏側にいるヤツらの中でも最強って言われてるあれですか?」
アリスが驚きながら一応聞くと
「そうだ!俺達の足手まといにはならないと証明したいのならお前ら2人だけで倒してこい。」
アリスがうなだれている中俺は
「ダイダロスを倒したら絶対認めてくださいよ。」
「ああ約束しよう。」
そして俺とアリスはダイダロスを倒しに月の裏側に出発したのだった。