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第一章


「こらっマキナ!いつまで、そんなとこで寝てんの!早くしないと置いてかれちゃうよ!」


そう。横から岩の上で寝ている俺を起こそうとしているこの少女が、俺のパートナーのアリスだ。


「あぁ、分かってるよ。でもどうせ俺達ならすぐに追い付けるだろ?」


俺がそう言うと、アリスは言い返す言葉が見つからない様子で……


「んまぁ、そりゃあさ、私達が一般兵と合同演習なんて退屈すぎて寝たくもなるけどさ………」


俺達は一般兵で換算すると最低でも、1人で一般兵100人分程の能力があるとされているのだ。


そのため普段は一般兵と合同演習をするなんて考えられないのだ。


そんな事を考えながらすぐに追い付くと俺達は、一般兵がヤツらの小型種であるヒューリー相手にてこずっているのを見つけた。


俺は笑いをこらえながらアリスに


「おっおいアリス!あの可哀想な一般兵達を助けてやれよ………」

と言った。


するとアリスも笑いながら

「う、うん!」と言って一般兵達の所へ走っていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「うわぁ助けてくれぇ!」

「ぎゃあ!」


などと一般兵がやかましく騒ぎながら逃げ回っているところに私が駆けつけると……


「おっおい!早くあのすばしっこいヤツらを片づけてくれよ。」


と一般兵の隊長らしき人が懇願してきた。


はぁ、とため息をつきながら私は背中に背負っていた大剣を引き抜き両手で構えた。


そしてヒューリーの群れが迫ってくる中、腰を少し落とし前傾姿勢になり大剣を後ろに引き、ギリギリまでヒューリーを引き寄せた。


ヒューリーが私に飛びかかろうとしたその瞬間………


「くらえっ!閃光一閃」


私は、人間離れした脚力でヒューリーの群れに向かってダッシュし、大剣でまとめて斬り倒した。


「ふぅチョロかったね!」


そう言いながら大剣に付いたヒューリーの血を拭っていると、


「お疲れさん。」

とマキナが駆け寄ってきた。


「いやぁ、やっぱり何度見てもお前みたいな可愛い女の子が大剣振り回してるとギャップがスゴいな。」


アリスは普通に見たらどこにでもいる可愛い女子高生なのだ。


そんな彼女がなぜ大剣を振り回したりできる腕力、人間離れしたダッシュができる脚力を持っているのか。


それは彼女が肉体強化の特殊能力を生まれつき持っていたからである。


俺達のように特殊部隊に選ばれる者は皆何らかの能力を持っているのだ。…………無論俺も持っている。


俺がいつものようにアリスにそう言うと、


「マキナもあのヒューリーみたいになりたいのかな?」


とジョークには聞こえないトーンで言ってきた。


「おいおいジョークだよジョーク!俺がお前に本気でそんな事言うわけ無いだろ?」


などと楽しく話しながら合同演習も終わり俺達はまだ制圧の終わっていない月の裏側から安全地帯にある月の本部に帰ったのだった。



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