僕らの始まり~指輪の行方~
───パンッ!
何かの破裂音と共に、部屋の中に真っ赤な血液が飛び散る。
「う……うわぁっ!」
「あははは…馬鹿だねぇ。お前、自分の身体の一部が何処に行ったかわからないのかい⁉」
少女は不気味な笑みを浮かべながら、何か大きな物を手で拾い上げる。それを男の目の前に乱暴に放り投げた。
僕は男の目の前に投げ出されたそれを見て青ざめた。
「……? … これって…」
男はガタガタと震えながらそれを拾い上げた。そして、数秒後。男の身体が紙吹雪となって消えていった。
「これって…」
僕はLiraに尋ねながらその紙の中の一枚を手にとった。そこには、よくわからない暗号の様なものが記されている。
「はぁ…。なんだ、まさかあいつの仕業だったとは…なんか頑張って損した!」
あいつ!って誰なんだろう。僕には何もわからない。
「あいつって…」
「ああ。思い出すだけで腹がたつ!」
完全に無視されてる。僕はそう思い深いため息をついた。
「おぉ!麗!お前、生きていたのか!」
「…えっ?」
さっきまで、生きてて安心したオーラすっごい出まくってましたけど?とか言ってみたら完全に自分は夜空のお星様になるだろう…いつもだと人の心の中を読んで怒ってくる。なのに今日は…今日の彼女は何も言ってはこない。
「そうだ!会えるかわからないが、あいつを捜しにいく。お前の能力があれば簡単だろう。」
「だから…あいつって?」
彼女は僕に不思議そうな表情をしていった。
「朝比奈 麗香。私の親戚だよ。」
Liraの親戚。初めて聞いた。
「そういえば。お前さん最近能力が弱くなってきているようだから気をつけるんだよ。」
能力?なんだそれ…
「それにねぇ…能力が弱くなったせいか、私との出来事や記憶。全てが消えてきている。そのうち、お前さん自身も消えてしまうだろう………」
僕が消える?そんな事があるのか⁉僕はひどく動揺していた。
「まあ、今日はもういい。帰ろう。」
彼女の声に促され、屋敷を後にした。
* * *
その夜。僕は不思議な夢をみた。
真夜中、部屋に一つだけ明かりが灯って障子からそれが透けて見える。そこには必死になり、手を動かす少女の姿。少女は何かを書き続けている。
「これじゃ…こんなんじゃあの女は殺せない!」
少女の声が部屋の外に響く。気がつくと彼女の背中が目の前にあった。
「あんただってわかるでしょ?あんな憎い女…肉を引き裂いて殺してやりたい。」
「朝比奈 麗蘭…」
僕の後ろで低い声が響く。その声の主は僕の存在に気づいていないようだ。
「いつか…いつか私が、あなた様のためにあの女を消してみせましょう。」
少女は立ち上がる。
「その必要はないわ。私のシナリオで苦しめて痛めつけて殺してやる…殺してやる!Lira!」
景色が急激に動く。そして、最後に聞こえた。
「お前は、私の一部だというのに…」
キミは誰?