僕らの始まり~指輪の行方~
お久しぶりです☆闇紗華です!今回も楽しんで下さい!
私が生まれてあれから何年の月日が過ぎただろうか。*が見つかった以上、私は他にすることがなくなった。あの男を置いて母様の待つ家に帰ろうか。帰ろう…帰ろう。
あの場所へ…
私は何かの気配に勢いよく隣の部屋の扉を開けた。何もなく静まり返ったその場所はあの男の匂いが微かに残っていた。
「確かさっきまでここにいたはずだが…」
私は呟いた。すると、妹がその場所を覗いて言った。
「あらあら、お姉様。あの連れの男の子…いなくなっちゃったのねぇ!」
私はあの男の行方などどうでもよかった。ただ一つ、あの男には秘密がある。それを知られてしまったら…それに、殺されでもしたらやばい。早く、そのために早くみつけ出さなくては。私の焦りを悟ったのか、妹は楽しそうに私をからかってきた。
「お姉様!もし、私がその男の行方を知ってたら…どうします?教えて欲しいですか?」
妹の怪しげに笑う姿が目の前に見える。だか、私は妹が死ぬほど嫌いだ。
「悪いね。私は誰かに教えて欲しいなんて一言も言ってないよ…」
妹は下を向いて口を動かす。
「お姉様……死にませんよ。あの男は…」
私は小さく言った。
「ああ…」
そこで、妹と別れをつげた。私たちは逆の方向に歩き出した。薄暗い空間をカンカンという靴の音だけがうめた。遠ざかる足音を聞きながら、私はあの男の跡を追った。
待ってろ…
誰かの声が聞こえる。僕は顔を上げた。辺りを見回すが、暗くてよくみえない。それどころか、自分が今どこにいるかがわからなかった。喋ろうと思い口を開くが、声がでない。逃げたいのに身体も動かない。Liraのいない今、自分はどうしたらいいのか全くわからない。Liraは今どこにいるだろうか。Lira…早く会いたい。
「まずい…」
麗の意識が途切れてきている。今は事件よりあいつを探さなくては…
私は走った。麗の気配を追って走り続けた。そして、とある部屋への扉を開けた。
「み~つけた!」
扉を開けた直ぐの所に1人の男が立っていた。そいつは刃物を持っていて、そこには紅く滴る血液がついていた。
「麗!」
私は驚きのあまり叫んだ。部屋の奥には血にまみれた少年の姿があった。私は思い切り男を睨んだ。
「お前…麗に何をした…」
「俺?はははっ!ちょっと刺しただけですよ!」
刺した?…部屋の奥の彼は動かない。確かに様子はおかしいが、死んではいなさそうだ。でも、普通ならこれだけ時間がたっていれば死んでいるだろう。
「どうやら麗は生きているようだね。ならいいよ。安心した。」
私の言葉に答えるように麗が目を開いた。
「殺す……殺す!」
突然男が叫びだした。それと同時に、刃物を振り上げ私に向かって振り下ろしてきた。
「Lira……リラ!」
『Lira.』読んで下さい誠にありがとうございます♪次回もまだまだ続きますのでヨロシクです!