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17 信じて



 数時間後。


 リヴァイスは王宮に戻ると、真っ先に留守番をしていたリセットのところへ向かった。


「リヴァイス様!」

「駄目だった。魔法具では無理だった」


 ザカリアスを守れなかった。暗殺されてしまった。


「でも、裏切り者がわかった。魔導士を捕まえることもできた。黒幕も予想がついた」


 今回のリヴァイスは冷静になれた。


 リセットだけは絶対に守れているという安心と余裕があるからこそ、兄のことに集中できた。


 そして、兄の命を守るだけではなく、誰が兄を狙っているのか、その理由を突き止めることにもより力を注がなければならないことに気づいた。


「恐らくだけど、黒幕は僕を王太子にして実権を握りたいんだと思う。それには自分の娘を僕の妻にする必要がある。このままだと次の暗殺対象はリセットだ」

「それは困ります。諸悪の根源をなんとかしないと駄目そうですね」

「その通りだ。やり直す。兄上の葬儀で特別な魔法を使う。大勢の人々から魔力を集めるにはそれしかない」

「わかりました」

「もう一度言わせて。心から愛している」


 神術に失敗すればすべてが終わってしまう。


 リヴァイスは死に、リセットは生き続けることになる。


 だからこそ、リヴァイスは自分の気持ちをリセットに伝えておきたかった。


「必ず魔法を成功させる。そのために力を尽くす。僕を信じて」

「信じています。誰よりもリヴァイス様を。必ず成功します!」


 リセットの言葉はリヴァイスに喜びと安心と勇気を与えた。





 リヴァイスは神術を成功させた。


 ザカリアスの葬儀で巨大な魔法陣が出現した。


 魔力を吸い取られながらリセットは思った。


(リヴァイス様が言ってくれたこと、忘れたくありません。だって私は……)


 リセットは気を失った。





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