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僕らは異世界生活に憧れる  作者: 山波 藍
第一部
7/34

こっちの世界

田舎のコンビニは駐車場が広いです。ので、みんなが溜まります。

PVが増えてきて嬉しい限りです。。

「僕、綾瀬渚っていいます。」


「シャルネだよ。よろしく」


 流暢に日本語を話すものだから、日本人だと思っていたが違うようだ。僕たちは軽く自己紹介を済ませてから他愛のない会話を少し交わした。正月ですね、だとか、この辺に住んでるんですか? だとか。シャルネさんは適当に相槌を打つだけだった、僕は自分のコミュ力を疑った。寒さで身体を縮こませながら、すっかり冷めてしまった缶コーヒーを飲みほした。


「シャルネさんって、生きる意味とか考えたことあります?」


 つまらないことを聞いてしまったかな、と思った。でもこういう人はどんな気持ちで生きているのかを知りたい。


「世界中のあんまんを食べ尽くすまでは死ねないなー」


 迷わず答えたことに少し驚いた。このような類いの質問に即答できる人は少ないと思う。シャルネさんは意外と哲学的なことが好きなのかもしれない。


「世界中の……。面白い目標ですね。なにか理由とかあるんですか?」


「んー、やりたいからだよ」


「いいですね。僕はやりたいこととかあまり見つからなくて。死にたいわけじゃないんですけど、もう死んでもいいかなー、とは思うんですよね」


 生きがいも死にがいもない僕は、シャルネさんの生きる意味にとても惹かれた。あんまんのためにそこまで労力を使うなんて、一般的に無意味なことだと思う。でも、シャルネさんにとっては有意義な時間なのだろう。


「そんなもんだよー。でもこっちの世界はアニメやらゲームやら娯楽がたくさんあるし、生きてるだけで楽しいと思うよ」


 確かに楽しいんだけどね。そんなことより、こっちの世界、と言ったことが引っかかる。あっちの世界があるってこと? いやまさかね、シャルネさんはちょっと中二病なのかもしれない。それでも、もしかしたら、と思ってしまう。なぜなら僕も中二病だから。淡い期待、いや、期待と呼ぶには淡すぎると分かっているけれど、それでも否定しきれなかった。


「こっちの世界って、シャルネさんは、どこか違う世界からきたんですか?」


 さすがに妄想が激しいな、少し恥ずかしい気持ちになる。変なやつって思われてそうでこわい。


「そうだよー」


「……え?」


「そうだよ?」


 嘘だ、と思った。でもシャルネさんが嘘をついているとは思わなかった。でも流石に嘘だと思った。いやでも嘘なんかついていない雰囲気だった。もうよく分かんなくなっていた。

次回 渚 死す。 デュエルスタンバイ!

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