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僕らは異世界生活に憧れる  作者: 山波 藍
第二部
30/34

レビオロ

絵本コンクールの応募に出すための作品を書いてたので更新かなりおそくなってしまいました。

「登真は近距離戦に強いから、それだけでも十分に戦えるよ。……それより、問題はレビオロだね」


 渚はフォローを入れるように話題を変えた。レビオロ、魔族が死に際に口にした名前だ。


「レビオロか……。そうね、また攻めてくるつもりかしら」


 あの魔族は、レビオロ様と言ってたぐらいだし、あいつのご主人様みたいなものだろう。二人の口調からして、厄介な相手だということは想像できる。


「なあ、そのレビオロって一体何者なんだ?」


 属性魔法の使い方など色々と聞きたいことはあるが、まずはレビオロについて知っておきたい。ライカは足を組んで俺の問いに答えてくれた。


「魔王よ。この南の街よりもっと南に、魔族たちの世界が広がっている。そこに君臨しているクソ魔王がレビオロよ」


「クソ魔王……。もし攻めてきたとして、勝てるのか?」


「ムカつくけど、私だけじゃ無理だわ。渚の力が必要ね。……だから渚が魔法が使えないのって、けっこうやばいのよ。」


 まじかよ。本当にけっこうやばいな。待てよ、俺がこの世界にきたせいで渚が魔法使えなくなったことをみんなに知られたら、とても生きにくいな。いや、自分の立場なんかを考えている場合ではないのは分かっている。でもかなりやばい。……だからわざわざ誰もいないこの部屋に移動してきたのか。


「多分だけど、レビオロはまだ動かないよ。スパイとして送り込んだはずの手下が戻ってこなかったら、それなりに警戒すると思う。それに、人間より五倍も寿命が長い魔族からしてみれば、三年なんて大した時間じゃない。スパイを送り込むぐらい慎重になってるレビオロは、もっと準備に時間をかけるんじゃないかな」


 渚の推測を聞いた俺は、その説明に概ね同意だった。魔族の寿命が長いというのは聞いていなかったが、まあ予想通りだ。寿命が人間の五倍も長いのなら、三年という期間は確かに短いはずだ。レビオロについて顔も性格も知らないが、もっと準備に時間をかけてもおかしくない。そんな簡単に攻めてこれるなら、スパイなんて必要ないからな。ライカも何かを考え込むようにうなづいていたし、俺と同じようなことを思っているだろう。でも、まだいくつか気になることがある。


「そういえばさっきライカが、また攻めてくるつもりなのかって言ってたよな。つまり、お前ら二人はレビオロと戦ったことがあるってことだろ?」


「うん、一回だけね」


「そのとき、お前はもうS級だったのか? 渚が主力として戦ってたのなら、レビオロは渚を警戒してるはずだし、渚の動向をさぐっていると思うんだよ。だから、お前が何もせず大人しくしていたら、レビオロが三年以内に攻めてくる可能性もあるんじゃないのか?」


 少なくとも、もう一度スパイを送り込んでくるはずだ。その時に情報が漏れてしまったら致命的だし、そうじゃなくても渚に動きがなければ不審に思われてしまうだろう。


「僕はまだA級だったよ。その時の功績が認められてS級になったんだ。レビオロと戦ったときの主力は僕じゃなくて、ギルドマスターのエルクさんだよ」


「ギルドマスター?」


「うん、このギルドの頂点に立つ人。そのエルクさんを中心に、ギルドの精鋭を集めて迎え撃ったんだ。ちなみにS級冒険者は三人いるって言ったよね? エルクさんはその中の一人だよ」


「そういえば言ってたな……」


「そうそう。だからね、レビオロが最も警戒してるのは僕でもライカでもなくて、エルクさんだよ」


 ギルドマスターのエルクさんか。全然気にしていなかったが、そりゃギルドを束ねる人ぐらいいるよな。俺も冒険者になったんだし、挨拶ぐらいしたいのだが、普段はここにいないのだろうか。


「なるほど……。もう一つ気になることがある。渚とライカとエルクさんたちで、街を守ることができた。でも、その戦力を持ってしても、レビオロを倒すことはできなかったってことだよな?」


 そう、これが一番の不安要素だ。一度戦ったことがあるからこそ、相手の手の内をある程度分かっているかもしれない。でもそれは逆も然りだ。またレビオロが現れるときは、渚たちを倒す手段を考えてくるはず。そのとき、俺たちがレビオロを倒す手段がなかったら大きな差になることは間違いない。

現在五月病です。

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