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僕らは異世界生活に憧れる  作者: 山波 藍
第一部
3/34

再会

とうとうきたぜ異世界。

 光が弱くなったのを感じたので目を開けてみることにした。どこだよここ。こんな壮大な自然知らないし、さっきまであんな暗かったのに、ここはさっきより少し明るい。まだ薄暗いが、静かなことだけは一緒だ。しかし訳がわからん、俺もついにおかしくなってしまったのか。色々と考えながら絶景を見渡しているとき、聞き慣れた懐かしい声が聞こえた。


「……登真」


 驚きのあまり呼吸を忘れた。うそだ、そんなはずない。でもこの声は……。早く振り返って確かめたい気持ちとは裏腹に、身体はゆっくりと動いた。早くなっている鼓動がうるさく感じる。


 ああ、きっとうそだ、夢でも見ているのか。目元が少し隠れるくらいの前髪に、ゆるくかかかったパーマ。栗色の髪が似合う柔らかい表情。どう考えても、それは渚だった。



 驚きのあまり声がでなかった。なんで? どうして? 本当に? 頭の中が疑問符だらけだ。とても理解が追いつかない。


 困惑してる俺を差し置いて、渚は満面の笑みを浮かべ大きな声で俺の名前を呼んだ。


「登真ぁ!とーま、とーま!」


 全身を使ってはしゃぐ渚を見て少し正気を取り戻した。ああ、本物だわ。本物の渚だ。


「……渚」


「渚だよ! ちゃんと覚えてる? 久しぶりだね、元気にしてた?」


 忘れるわけがないし、元気なわけないだろう。渚が目の前にいることを認めた途端に力が抜けた。膝から崩れ落ちた。嫌でも涙がでてくる。生きてたのかよ。良かった。また会えるなんて思ってなかった。


「死んだかと、思っ……」


 今にも泣き叫びそうだったけど、ちっぽけな自尊心がそれを拒んだ。でもダメだ。どんなに我慢しても嗚咽が漏れる。鼻水ダラダラでみっともない姿を必死に隠した。

渚はやわらかい雰囲気の男性です。いかにもモテそうな感じの。

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