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僕らは異世界生活に憧れる  作者: 山波 藍
第二部
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帰還

3月1日!!!

「おかえりなさいませ、渚さん。登真様。……ライカさんもご一緒なのですね」


 過酷なクエストから戻ってきた俺たちを、アリアさんが出迎えてくれた。ギルドへ戻って来れた安堵感からなのか、ドッと疲れが押し寄せてきた。生きて帰ってくることができて良かった。それに、アリアさんに出迎えてもらえるなんて最高だ。


「なによ。私も一緒に帰ってきちゃダメなわけ?」


「そんなことはありません。でも、しっかりと手続きをしてからお出かけになってください」


「見回りに出かけるって、ちゃんと伝えたわよ。外に出るたんびに手続きして、戻って、また手続きして、なんて、そんなちまちましてたら救える命も救えないわ」


 俺が一安心していたら、アリアさんとライカがピリついた雰囲気になっていた。確かに、ライカの言い分はとても分かる。事実、そのおかげで俺たちは助かったのだ。俺たちのほかにも、ライカに助けられた人はたくさんいるだろう。


「そのやり方では、ライカさんを守れません」


「はあ?」


「最前線で戦ってくれている皆さまのおかげで、たくさんの命が救われていますが、その道中で亡くなってしまう方もたくさんいます。少しでも殉職されてしまう方を減らすために、手続きが必要なのです。一人一人のレベルに合ったクエストを受注していただくことや、パーティーを組んでいただくことが、冒険者さまの命を守ることに繋がります。どこで、誰が、何をしているか、それをこちらで管理することによって、冒険者さまの安全を、微力ながら高めることができます。ライカさんがA級トップの実力者だとしても、例外ではありません」


 アリアさんは畳み掛けるようにライカを説得した。反論の余地を与えないほど論理的に詰められた内容に、ライカは思わず後退りをしていた。


「……分かったわよ。アリアが私の心配をしてくれているのは、よく分かったわ。少しは考慮しておく」


「少しでは困ります。考慮では困ります。必ず、しっかり、お願いします」


「わーかったってば! わかったわかったわかったわかった! はいもう説教おわり!」


 二人は犬猿の仲なのかと、一瞬そう思ったが、むしろ仲良しのようだ。俺から見たアリアさんは、無表情で淡々としている、そんなイメージだった。しかし、ライカと話しているときのアリアさんは、柔らかい気がする。少しだけだけど、表情から喜怒哀楽も読み取れる。アリアさんにとってライカは友達だから、こんなに心配することができるのかな、と思った。アリアさんはライカのことを、A級トップの実力者だと言っていた。つまりライカの強さを十分に理解しているってことだ。そんなライカのことを心配する理由は、ギルドの受付嬢だからではなく、そこに友情があるからだろう。


「えっと、とりあえず、僕たちのクエスト終了の手続きをしていいかな?」


 二人の言い合いが終わったところで、渚が今回起こった事柄を、端的にまとめてアリアさんに伝えた。横にいた俺も少しだけ言葉を交わし、細かなことはアリアさんが処理をしてくれた。その後、渚に連れられてギルドの二階にある部屋に移動した。そこはわりと小さな部屋で、真ん中に置かれている正方形の机と、それを囲うように椅子が四つ設置してあった。あとはホワイトボードがあるくらいで、ちょっとしたインテリアもなかった。なんのための部屋なのか渚に聞いてみると、主にパーティーを組んだ人たちが話し合いをする際に使われている、と教えてくれた。さすがに殺風景すぎると指摘してみると、「パーティー内での言い争いで、何回か花瓶を割られたことがあったらしいよ」と笑っていた。物騒すぎる。そんなパーティーは絶対に嫌だ。そんなことを話しながら、渚が奥の椅子に座ったので、俺とライカはその両隣りを埋めるように席に着いた。

卒業式を終えたであろう女子高生が、お花を持っていい笑顔で歩いていました。卒業おめでとうございます。

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