魔族
更新おくれてしまいました。ベルセルクにはまってしまいました。
十分ぐらい経っただろうか、とうとう痺れを切らしたオークは、ひどい雄叫びをあげて、その勢いのまま一直線に向かってきた。格下相手に攻撃が当たらないのだからストレスも溜まるだろう。怒りに任せて振りぬいてきた右腕を躱して、伸び切った右肘をピンポイントで打ち抜く。鈍い音を立て、骨が折れるのを拳で感じた。
「これで終わりだ」
すかさず怯んでいるオークの膝を前蹴りでへし折る。悲鳴をあげてうずくまるオークを見下ろして安心した。こんなでかいやつでも、ちゃんと俺の攻撃が通じたからだ。カウンターを入れたところで効果があるのかどうか心配だったが、ちゃんと右腕と右足の骨を折ることができた。流石にもう動けないだろ。
「よけろ!」
突如、身体に衝撃が走る。渚の声に反応して身体が動いたが、それと同時にふっ飛ばされた。油断した。左手と左足は地面についていたはずだ。折れた右腕をムチのようにしならせたのか? 普通そこまでするか? 攻撃を受け流すように動いたおかげで、衝撃をやわらげることができたけど、それでもこの威力か……。幸い、骨は折れてなさそうだ。
「登真、大丈夫?」
「……なんとかな。それよりあいつ、どうなってんだ?」
どうやらまだやる気満々みたいだ。もうこっちに向かってきやがったが、無理して走るから骨がとび出してきている。見てるこっちが痛い、グロすぎる。どうしてそこまで執着するんだ? まあ、とりあえず距離をとろう。俺はひたすら走った。執拗に追いかけてくるオークからひたすら逃げた。するとオークは自滅した、そりゃそうだ。あんな身体で無理に走ればそうなるだろう。
攻撃を受けてしまったときは冷や汗をかいたが、なんとか乗り切ることができた。少し呆気ないような気もするが……。今度は油断しないように、オークを注視するが、ピクピクと動いているだけだ。この出血量じゃ、もう長くないだろう。
「登真、どう思う?」
「ほっとけば死ぬんじゃないのか?」
「うん。でもこのオーク、ずっと変だったよね。まるでなにかに操られていたような……」
「ほかに黒幕がいるってことか?」
「そう考えるほうが自然じゃない?」
勘弁してくれ、もう限界だぞ。そう思ったときだった、オークが激しい痙攣を始めた。蒸気機関車のように黒い煙を激しく吹き出し、その蒸気から感じるマナ濃度はどんどん濃くなっていく。俺が立ち尽くしていると、黒い靄が晴れいき、その正体が、微量の電気を纏いながら現れた。
「……魔族か」
渚がボソッと呟いた。魔族、それは魔物の上に立つ種族、そんなことはアニメ好きなら常識だ。俺はその常識をしっかりとわきまえていた、だから絶望した。あんなのに勝てるわけない、戦う気すら起きない。
人間と同じような身体の作りだが、全体的に黒く細い。背丈は俺とさほど変わらないが、丸い頭に目が四つある。見た目だけで恐ろしいのに、あいつから発せられるマナはさらに恐ろしかった。同じ空間にいるだけで気分が悪くなってくる。
やっと魔族が出てきました。




