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僕らは異世界生活に憧れる  作者: 山波 藍
第一部
21/34

異変

出張で山形行ってました。

 クエストも無事終わったことだし、そろそろ帰ろうとした時だった。


「……待って、さっきのうんこ、でかすぎない?」


 渚が神妙な面持ちでまたうんこの話を持ち出してきた。こいつは本当にうんこが大好きだな。


「もううんこはいいって」


「違う。おかしいよ。熊のうんこにしては、でかすぎる」


 渚の言葉にハッとする。言われてみれば確かにおかしい。さっきの熊のサイズからして、あいつのうんこではないだろう。つまりこの周辺に、恐ろしくでかい何かがいる。でも俺のクエストは熊の討伐だし、関係ないことでは? それともさっきの熊はクエストとは関係なく、もっとでかい熊がいるのか? どちらにせよこのまま放っておいたら村人が危ない。でも俺にやれるのか?


「……とりあえず一旦戻ろう。」


「うん。熊の魔物化といい、なんか妙だね」


 このまま得体の知れない巨大な魔物とエンカウントしてしまうのは危険すぎる。会話もほどほどに、ギルドへ戻ることにした。俺も渚もなるべく音を消して歩いた。なにかやばい、と思った瞬間から、森の緑が少し不気味に感じる。俺は常に周囲を警戒しながら歩いた。


 しばらく歩き、明らかにおかしい生物を見つけた。遠く離れたところからでも、それを見つけるのは容易かった。地響きを立たせる足音。強烈な獣臭。四メートル近くあるような巨躯。猪のような顔に、人間のような身体。……オークか?


 物陰にしゃがみ込み、小さな声で渚に問いかける。


「渚、こいつは……」


「オークだね。しかも、かなりでかい。普通はニメートルぐらいだよ。このサイズのオークは僕も初めて見る」


 渚の表情にいつもの余裕が感じられない。今あいつと対峙するのはまずいってことだろう。俺たちの存在を感じ取ったのか、オークはこっちに向かって歩いてきた。荒い鼻息の音量が大きくなってくる。ただ歩いているだけでも奇妙に感じるし、常に目をギョロギョロさせていて、とにかく正気ではないことが見て分かる。俺は息をひそめることに努めた。渚はとっくにそうしていたようだ。オークは歩いては立ち止まり、周囲をぐるぐるとうろうろしていた。何かを探しているようにも見える。俺たちが隠れていることに気づいているのか? 一分一秒が長く感じる。早くどっかに行ってくれ……。


 願いが通じたのか、オークは俺たちが隠れている所とは逆方向に歩き始めた。良かった、完全に俺たちに気づいている訳ではなさそうだ。だが、あいつが完全に見えなくなるまで安心はできない。まだかまだかと、焦る気持ちを抑え、手に汗を握る。


 突如、ぐるりとこちらを振り向いた。心臓が止まりそうになった。いや、恐らく少し止まった。自然と息も止まっていて、時間さえも凍りついているようだった。動き出した心拍音がやけにうるさい。オークは振り返ったまま動かない。心臓の音が聞こえてしまいそうで不安になる。一体いつまでそうしているつもりなんだ? もう一分は経ってるんじゃないだろうか。いっそのこと、全速力で逃げたほうが良いか? そう思った直後に、オークはまた前を向いて歩き出した。ああ、助かった。恐怖で身体が動かなかったことが功を成したのだ。

私がオークと聞いて、まず思い浮かべるのはドラクエのオークです。あいつはちょっとかわいいです。

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