三話 レアルVS狼
一方レアルはレクスと話し合って狼を倒すことになった。
「まぁとりあえず全員倒しますかね」
レアルは完全詠唱破棄を行い、マジー3ヴォロンを発動し、大きく飛び上がった。
「とりあえず全員の能力を知ったほうがいいですね」
レアルは天眼を使い狼の情報を得る。
「一体だけ異常に魔力が高い。 あとはだいたい魔力は変わらないか……。じゃあ周りのから倒しますかね」
レアルは剣から雷属性の三連撃を放った。
「そんなのかわせるわ!」
しかし狼にかわされてしまった。斬撃は地面に傷をつけた。
「あのスピードで回避したということは近距離で戦った方がいいですね」
レアルは地上に降りる。そして狼に剣を向ける。
「僕はあまり積極的に倒すの好きじゃないので……」
「舐めているのか餓鬼! お前ら奴をやれ!」
「分かりました!」
数体の狼がレアルに勢い良く飛びつく。
「まぁあなた方はどんなに頑張っても僕を倒すことは不可能ですけどね……」
レアルは笑って言った。
レアルはほとんど体を動かさずに、数体の狼の攻撃を全てかわす。
「あなた方に剣を向ける必要もありませんね……」
レアルは一体の狼の腹に回し蹴りをした。
そして其の狼は数メートル吹っ飛びどこかの壁にぶつかり、壁にははっきりと跡がついた。そして黒い煙を上げて消えていった。
レアルはその反動で少し狼との距離が空いた。
「なんだ今のは!?」
「そちらの世界にはありませんでしたけね? まぁそちらで言うところのケルパー、人界ではコールというものです。 まぁ簡単に言うと武器を使わずに対象と戦うというものです」
「なんだが知らねぇが貴様を殺す!」
「なんであちらの方々はここまで脳筋なんでしょうね?」
レアルは煽る。
「うるせぇぇえ!」
二体の狼が飛びかかってレアルを獲物を狩るように飛びつく。
しかしレアルは消えた。
「あいつ! 消えやがった! おいどこだ!」
レアルは一体の狼の頭を掴んだ。
「もう少しあの方の訓練を受けたから来るべきでしたね」
狼は恐怖で声が出ない。
レアルは狼の頭を地面にヒビが入るくらい地面に叩きつける。
他の狼はレアルの行動を見て引いていた。
地面に叩きつかれた狼は完全に気を失っている。
「まぁあまりにもつまらないのでもう少し面白いものを見せてあげましょう」
レアルは完全詠唱破棄を行い、狼を持ったままでマジー3ヴォロンを発動した。
「この高さからなら綺麗に流星みたいに派手にやってくれるでしょう」
「貴様何をする気だ!」
「皆様に倒される前に見てほしものがありまして……」
「あいつは戦い中に何を言っているんだ?」
レアルは持っていた狼を上に上げた。
「足に天力を集中させて…… よいしょ!」
天力を集中させた右足で、上に投げた狼を蹴った。
「皆さん流星みたいで綺麗でしょう」
「隊長! 赤い何かが飛んできます!」
「これはまずい!」
狼の親玉は防御態勢を取ったが、ほかの狼は間に合わなかった。
「クソがぁぁあ!」
赤い流星のようなものは地上で爆発し、狼は勢い良く数メートル吹き飛ばされ、狼の親玉以外は黒い煙を上げて消えた。
レアルは地上に降りた。
「狼もあなた一人だけですか……」
「今のはなんだ!」
「あれはコールの中でも上位技である﹃ルージュピエ﹄という技です。本来は相手に自分の天力を取り込ませて爆発させるのですが、なんせ皆さまが多かったから応用させたという感じですね」
「俺の仲間を葬ったことは褒めてやろう。だがお前のお遊びはここまでだ!」
「おりゃゃぁぁあ!」
狼の親玉は大剣をレアルに叩きてつけた。
しかしレアルは後ろに下がり攻撃を回避した。
地面には大きな亀裂が入った 。
「あなたも剣を使うのですか! 気が合いそうですけど僕を殺す気が満々なので楽しく話せるのは来世ですね」
「ごちゃごちゃうるせぇぇえ!」
狼の親玉は剣から闇属性の技を放った。
レアルは剣で何とか受け止める。剣どうしがぶつかり合い、火花を散らしている。
「まぁ流石にあなたには剣を使って戦いますね」
「この餓鬼がぁぁあ!」
狼の親玉が再び剣を振る。
しかしレアルはまたもや消える。
「どこへ行った?!」
「後ろですよ」
レアルは狼の親玉の左腕を切り裂いた。
「クソが!」
「だがまだ秘策があるんだよ! おりゃ!」
狼の親玉は魔法陣を展開した。なんと狼を十体召喚した。
「そう来ますか」
レアルの後ろから黒い二体の小型の狼がレアルに飛びつく。
レアルは上級剣技で一回転斬りをして何とかギリギリのところで二体の小型の狼を倒す。
「あなた召喚士でもあるんですね…… まだ八体もいる」
「これは使うしかないですね」
レアルは納刀した。
「コール!」
狼一体の急所に拳を思い切り放った。そしてその狼を蹴り飛ばし、二体の狼を巻き込み計三体倒した。
レアルは剣の先を狼に向けた。
「これなら。 ロン!」
剣から雷属性の玉が放たれ、玉が爆発し、五体が巻き込まれ消えた。
「なかなかやるな餓鬼。だがこれはどうかな?」
狼の親玉は剣を地面に叩きつけた。
「これは何か生えてくるパターンですね」
レアルはまた消える。
「もう分かってるんだよ!」
狼の親玉はレアルの現れる場所を当て、レアルに向かって剣を振り回す。
レアルは剣で親玉の攻撃を防ぎ親玉から距離を取った。
「流石にあなたも分かりますか。ではもう終わりにしましょう」
「あぁ。そうだな!」
狼の親玉は魔力を剣に込め始めた。
レアルは天力を剣に込め始めた。
「おりゃぁぁぁぁあ!」
狼の親玉はレアルに向かって獲物を飛びつく様に全力で走ってくる。
そしてレアルに向かって大きな剣をレアルに振る。
レアルは雷属性となった剣を振る。
剣がぶつかり合い大きな火花が飛んでいる。
「流石だな餓鬼! だがこんなもんじゃねよ!」
狼の親玉はもっと剣に魔力を込め始めた。
「くぅ!」
狼の親玉が優勢になった。
しかしレアルは何とか耐える。
「おいおいおい餓鬼! 力が弱くなってぞ!」
「こんなところで負けるわけには行きませんよ! おりゃぁぁぁぁあ!」
レアルの振る剣が輝きが増している。
何とレアルが優勢になった。
そして狼の親玉の剣にヒビが入り始める。
「嘘だろ!」
「これで終わりだぁぁぁぁぁあ!」
狼の親玉の剣が折れた。
「この野郎ぉぉぉぉお!」
レアルは勢いのまま狼の親玉の首を切り裂いた。
「貴様!」
狼の親玉は黒い煙を上げて塵となり消えていった。
「なにか落ちているな」
レアルは黒い石を手に入れた。
「これは…………」
レアルはこの場を後にした。