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怪文集  作者: 壁
4/6

赤いクローバー

お題は『水筒』です

俺は田邊八三(たべはちみ)、最近うちの中学では水筒をどれだけ美しく回転させることができるか競い合う競技が流行っている。


昼休みになり、今日もクラスでは水筒回し大会が開かれる。俺は今日のために新技を開発してきたため、勝ちを確信していたんだが。


「朱雨すげぇあれドルフィンドルスピンじゃん!!」


俺の前の朱雨が現時点最高難易度技ドルフィンドルスピンを決めやがった。この技は頭の上に立てた水筒を肩へと落とし、腕の周りを3周させてから、手のひらの上で2回転させてから立たせるという技だ。


このままでは勝てないかもしれないと思い、俺は用意していた技を1段階グレードアップさせてすることにしたが、


「あっ」


勢いよく僕の手から飛び出した水筒が普段誰とも話しているところを見かけない、謎のクラスメイト任天麻璃央(にんてんまりお)の頭へと勢いよく飛んで行く。


「ごめんっ」


思ってもない謝罪をすると同時にクラスメイトたちの悲鳴が聞こえる。あたる瞬間思わず目を瞑ってしまったがどうやら彼は頭から血を流し、倒れたようだ。


それからは散々だった。彼は教師に4階の保健室に連れていかれ、俺は生徒相談室に3時間も監禁された。


「あぁクソみてぇな1日だったな…」


ついに解放され、家に帰ろうとした時のことだった。


「ガッシャーーーン」


ものすごい音が上の方から聞こえてきたので上を振り向くと4階から水筒が窓を突き破り、ものすごい速さで飛んできている。やばいと思い避けようとするが間に合わず、頭に直撃した。


僕が最後に見たのは真っ赤に染まったクローバーだった。

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