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悪役令嬢、拾いました!~しかも可愛いので、妹として大事にしたいと思います~  作者: 玉響なつめ
二部 第四章 黒竜帝はかく語りき

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 その後、オリアクスが黙り込んでしまったのでやっぱり場所を考えるべきだったかなあと思ったんだけど、どうやらそれは杞憂だったらしい。

 女王様とお話している間中、どうやら念話? だかなんだかで黒竜帝に自慢していたそうだ。


 迷惑だな!?

 いや、まあ、うん。喜んでくれているならなによりだけど……黒竜帝には話を聞く前に謝罪案件が出てくることになるなんて思いもしなかったわあ。


 あ、ちなみに女王様はとても良い人でした。

 息子をよろしくねって握手されたけど、え? いやうん、付合ってすぐに別れることを前提に話をするつもりはないけど、添い遂げるとかそういうところまで飛躍するの?

 やっぱり(ツガイ)ってそういうものなんだねえ、わかってたけどさ。


 ちなみに女王様にもアレッサンドロくんのやらかし具合は伝わっており、イザベラも丁寧な謝罪を受けたので、彼についてはこれでおしまいである。

 今後もイザベラに何か迷惑をかけるようなら、容赦なくやり返していいというお墨付きももらったしね!


(しっかし、改めて結婚前提ってされるとかなり照れるな……)


 でもまあ、今すぐどうこうってことはできない旨はフォルカスにも伝えてあるし、こういうのはゆっくりね。うん、それでいい。


 それはともかくとして、転生者云々のお話は女王様も理解を示してくださった。

 というか、ごくごくたまにだけれど『前世の記憶を持った人間』というのは現れる者らしく、ただ、今回の件のように未来を予言するような人物が現れた記録はないということ。

 娘さんにもそれとなく話を聞いたけれど、はぐらかされたらしい。

 女王様いわく、何かを知っていそう……ってことだったのでそれは黒竜帝に会ってからの話だ。


(悪役令嬢、か)


 私が前世の記憶で知る物語の中で語られた〝悪役令嬢〟も、今世で出回っている小説の〝悪役令嬢〟も、とんだいい迷惑だなと思うね!


 とりあえず世界の命運がどうのこうのってのはイザベラには関係ないと思いたい。

 なんせ、彼女が演じるべき役割の悪役令嬢のターンは終わったはずなんだから。


 でも、悪役令嬢だの聖女だの、魔王だの……それに加えて転生者ってのがこうポンポンと単語上でも現れるとなるとシャレにならないよなあ……。

 かくいう私も転生者なんだし、イザベラも知らないとはいえ兄のマルチェロくんが転生者なんだし。

 その上フォルカスの妹までもが転生者で、元となった漫画だか小説だかを知っているとなれば、それはもうただの偶然で済ませるにはできすぎているってことで……。


(だとしたら、誰が? なんのために?)


 それぞれ記憶を取り戻したきっかけが問題なのか、転生者を招く何かがあるのか、聖女ってそもそもなんだとか……黒竜帝がどれだけ知っているかでまた話は変わるんだろうなあ。


 オリアクスもなんだか張り切ってくれているので情報の集まり具合に期待が持てるね!


「あそこだ」


 城から黒竜帝が住まう山への道は聖域とされて王族、ないし王家の許可を得た者以外入れないのだという。

 モンスターなどは出没しないけれど、険しい山道に雪や風が吹き付けることもあって普通には登れない……と説明を受けたものの、私たちからしてみればどうってこともない。


 むしろオリアクスがよくわからない黒い馬だか牛だか……なんだこれ、生き物なのかそもそも。

 ともかく、そういうのを出してくれて私とイザベラを乗せてくれたんだけどこれがまあ有能なのなんのって。


 一応フォルカスとディルムッドの分も出してくれたし、オリアクスも乗ってみんなでさくさく登ったわけですよ。苦労知らずとはまさにこのこと!


『よくぞ来た、我が子孫よ……そして古き良き友よ!』


 フォルカスに示された場所は、山頂にしては拓けた場所だった。

 ごつごつとした岩肌と、見たこともない野草が風に揺れる中聞こえた声に私たちが頭上に目をやると、巨大な影が視界を覆う。


 現れたのは、日差しを受けてキラキラと輝くオニキスのような鱗を持ち、赤い目をした巨大な竜――まさしく、黒竜帝と呼ぶに相応しい存在だった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 黒竜帝意外とノリがよさそうだな
[一言] 無言で悶えてたのね!
[一言] なるほどテレパシー… フォルカスママからOK出て良かったねアルマ!
感想一覧
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