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悪役令嬢、拾いました!~しかも可愛いので、妹として大事にしたいと思います~  作者: 玉響なつめ
二部 第二章 悪魔の講義

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2-20

「へえ、妹さん……って、えええ!? 妹さんが転生者なの!?」


「……そうらしい。というのも、本人の言葉だけなので我々には知る由もないからなんだが……」


 フォルカスには弟と妹が二人ずついるということは耳にしている。

 フォルカスを基準に、一つ下の妹、それから二つ下になる双子の弟、そして末っ子である四つ下の妹という構成だ。

 家族仲は良く、特に一番下の妹が懐いているという話を以前ちらりと酒の席で聞いたことがあったけども。


 あったけども!!

 

(確かにあの時も『妹がちょっと変な言動で困っているけれど、物理的に距離もあるし次に国元に戻った時には落ち着いていてくれたら嬉しいなあ』的なこと言っていたけども!)


 それがまさか、ちょっと変な言動=転生者の言動だとは誰も思わないでしょう。

 いや、多分フォルカスだってそれまでは思っていなかったのかもしれない。

 転生者ってのはオリアクスが当たり前のように言っているだけで、私たちからしてみればあまりにも聞き慣れない言葉だったから。


 私がまさにその転生者なんですけどね!!


(意外と転生者、この世界にいすぎ疑惑……?)


 私は言わずもがな、マルチェロくんはまず間違いなく、この世界……というか、イザベラが出てくる悪役令嬢の物語について知っていた。

 では、フォルカスの妹……フェザレニアのお姫様はどうなのかって話で。


「え、ええと……フォルカスの妹さんって、ちょっと変わっているって言ってたよね……?」


「ああ。昔から『自分は転生者だ』と言って憚らず、『自分こそが続編でヒロインを導く役目だ』とも言っていたんだ。母上はなにかの物語でも読んで、そのごっこ遊び(・・・・・)をしているのだろうと言っていたんだが……」


(ごっこ遊び、ねえ……)


 まあ、近いものはあるんじゃないか?

 小さい子供がヒロインがどうのこうの言い出したら、大体なにかの本を読んだんだろうって思うものだし。

 テレビとか見て魔法少女とかに憧れる女の子はたくさんいるものね!

 私? 私は特撮ヒーローとかそっちだったなあ、弟を怪人にしたり、時々父親を怪人にして姉弟で戦うとか、うん、お転婆だった。


 それはともかく!


「末っ子ということもあって、そういうところも次第に落ち着いていくだろうと私も、弟や妹も思っていたんだ。末の妹ということもあって、私たちも随分甘やかしてしまった分、その、少し奔放なところがあって……」


 どうやらフォルカスの言い訳めいた言葉によると、その末の妹さんはマリエッタという名前で、活発な女の子であり……そして家族からは夢見がちな子と思われていたそうだ。

 王族としてはもう少し淑女らしくしなさいと注意はするものの、基本的には末っ子である彼女に王位が回っていくこともなかろうと、自由にさせていたらしい。

 礼儀作法や勉強は嫌がるもののきちんとやっていたし、基本的には普通の子供と何も変わらないこともあって病気だとか妄想とまでは家族も考えなかったんだそうだ。


「きっとただのごっこ遊び、そう思っていたんだが……今この状況を考えると、マリエッタが口にしていた話は今の物語と何か関係があったんじゃないのかと思えるんだ」


「……でも、その内容をフォルカスは覚えていないのでしょう?」


「そうだ。だが、可能性としてあり得るならば、無闇に探すよりも可能性が高いところから行った方がいい」


「確かに、それはそうね」


 合理的と言えば合理的だ、だけど私をわざわざ呼び出して聞かせるのだから何か意味があってのことなのだろう。

 そう思ってフォルカスをじっと見つめると彼は珍しく視線をさまよわせて、覚悟を決めたように私を見た。


「勿論、このことを隠すつもりはない。私だけ行くかどうかは他のみんなと相談するつもりだ。だが先にアルマに知っていてほしいのは、妹が困ったヤツだと言う点であって」


「……は?」


「あの子は何故か、私に対して家族の情以上のものがあるのだと訴えてきていたんだ。幼子が父親に抱くような感情と似たものだろうと私も流してきていたのだが、段々とそれが苛烈になってきたというか……」


 フォルカスによると、彼の父親が早くに亡くなり、女王は再婚せずに統治を続けている。

 だから長男であるフォルカスが弟や妹の面倒をみていたわけだが……末の妹はそんな彼に対して何度も告白をしてきたのだとか。

 初めは小さい子供の『将来お父さんのお嫁さんになる!』的な発言だと微笑ましくも思ったそうだけれど、段々と困ってしまったフォルカスは先祖返りの件もあって、国を離れたというわけだ。


「正直、落ち着いてくれていなかったらと思うと国元に帰るのが億劫なんだ」


「そ、そうなんだ……?」


「私にはアルマがいる。それは家族にたとえ反対されようと揺るがないが、妹が心ない言葉をアルマに向けたらと思うと……」


 つまり、私が変に受け取ってフォルカスはフラれないかが心配ってことらしい。


 いやうん、それはないけどね。

 ないけどさ。


(転生者って変なヤツばっかだな!?)

 


【書籍情報発表されました】

アース・スターノベルさまより5/15に1巻が発売となります!

書影等はまだ出ておりませんが、出次第、活動報告などでお知らせしたいと思います!!

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― 新着の感想 ―
[一言] おまいう
[一言] 転生者が変なんじゃなくて、変な転生者が目立ってるだけなんじゃないかなあ。
[一言] アルマさんや、それブーメランにならんかね。 フォルカスの国でアルマ修羅場に入るの巻になりそうなのか。おやまぁ(・ω・)
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