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悪役令嬢、拾いました!~しかも可愛いので、妹として大事にしたいと思います~  作者: 玉響なつめ
二部 第一章 寄り道は意外と大事なのです

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2-9

 招待された村に来たことがあるのは、このメンツでは私だけだった。

 ディルムッドは精霊村までは招待されているけれど、妖精たちからすると危険な人物に見えていたらしいし、一緒にいるフォルカスは竜の気が強くて機嫌を損ねたら森が燃やされると思っていたかららしい。


 まあ、竜の中にはとても短気な種もいて、理解出来るとフォルカスが彼らの言葉に同意してくれたので特に問題はない。


「うわあ……うわあ!」


 小さな声で、イザベラが喜びの声を発しているのが微笑ましい。

 なんというか、確かにこの村に関していえば王国の絵本にあるような光景が目の前に広がっているのだから、それも仕方ないという所だろうか?


 見たこともないような大きなキノコの家の前にいる小人族、輝く花を住処にしているフェアリー族、それに木々の上に家を作っているアラクネ族たち。

 かなり個性的で、そして不思議な光景だ。


「ランバ! エリューセラ!!」


 そんな中に走ってきたのは二人の小人族だった。

 彼らはアルマの膝くらいの背丈しかないが、それで大人なのだ。

 とても手先が器用だが臆病な種族でもある。


「アルマだ! アルマと一緒なら、大丈夫な……人間……?」


 私の姿を見て二人はぱっと笑顔を見せたが、すぐに他のメンバーを見てランバの後ろに隠れてしまった。

 それを見て目をキラキラさせているイザベラに、苦笑が零れる。


「イザベラ、彼らは小人族のキールとキーラ。私の友達だよ。キール、キーラ、この子は私の妹でイザベラ。外の世界に出てきたばかりなんだ、仲良くしてあげてくれる?」


「アルマの妹さん!」


「まあまあ、それはよくぞいらっしゃいました!」


「イザベラと申します。どうぞよろしくお願いいたします、キール様、キーラ様」


 笑顔で歓迎の意を示してくれた二人に、イザベラもにっこりと微笑んでお辞儀をする。

 うーん、微笑ましい!

 ぱっと見、お姉ちゃんにご挨拶する少年少女ってところだけど、その実、逆ってのがまた面白いよねえ。


「あー……俺らは歓迎されてねエみたいだが、いいのか?」


「今回の件で話をとなれば、断る理由もない。彼らとしても初対面なのだから、警戒してしかるべきだろう」


 ディルムッドが少し居心地悪そうに、フォルカスはそんな相棒の様子に首を傾げながら私たちと一緒に歩いている。マイペースか!

 いや、まあ、いいんだけども。


 そんな風に騒がしい私たちに妖精族たちが興味津々といった視線を向けてくるけれど、まあ概ね友好的ってところだろうか。

 私がいるからってのが理由だとしたら、ちょっぴり照れくさいけど嬉しいね。


 そんなこんなで私たちは妖精族たちの村、その中心にある集会所に招かれた。


「ここは……?」


「アタシたちは複数種族で暮らしているから、何かを決める時は代表が集まってここで話し合って決めるのよ。アンタたちの話を代表たちに聞いてもらったりするにはうってつけでしょ?」


 イザベラが不思議そうにするのも無理はない。

 なんというか、雰囲気が教会にも似て厳かな建物なんだよね。


 広い円形の空間に、石で出来た円卓が一つ、その周囲を取り巻く柱には彼らが信奉する古い神々が彫られていてる。

 私もその辺は詳しくないけど、妖精たちにとっての神は人間よりももっと正しく『神』という存在に近いんじゃないかなあと思っているのであまり詳しくは聞かないことにしている。


 知って良いことと悪いことがあるって、私ちゃんと知ってるんだから!


「みんなお客様なんだからそこら辺好きに座っちゃって。代表者たちだからって場所が決まってるわけじゃないの。この場ではどの種族も対等、そういう決まりなんだあ」


「……代表者たちというのは?」


 エリューセラが適当に戸棚からお茶の準備を始め、ランバもそれを手伝う。

 ピクシー族の彼女にとって私たちサイズの茶器を持つのは大変だからしょうがないね!


 器用に複数の腕を使ってお茶を淹れるランバが、少し考えるようにしてから私たちに答えてくれた。


「俺たちは種族が違う中で助け合って生きている。とはいえ、種族も違えば人数も異なる中で物事を決めるのに、たった一人の代表者では意見がどれかの種族に傾いてしまうこともあるだろう、だからそれぞれの種族で公平に意見を交わせる人物を選んで、それを代表者と呼んでいるんだ」


「なるほどな、合理的だ」


 出されたのはハーブティーの類いだ。

 キールとキーラはお茶菓子を出してくれた。


「このお菓子は、昔アルマさんがここを訪れた際に我々に教えてくれたものなんですよ」


「あれ以降、よく作っているんです! 是非お召し上がりくださいな!」


 出てきたのは、なんとくるみゆべしだった。

 そういや、そんなの教えたなあ。


「アルマ姉様は本当に物知りですのね、お友達も多くて羨ましいです」


「……これからはイザベラだって、世界各地に友達が出来るよ。楽しみだね」


「はい!」


 キールとキーラは微笑ましそうに私たちのやりとりを見ていた。

 エリューセラは我関せずでお菓子を頬張っていたし……ってちょっと待ちなよ、いいのか、代表者来る前に一人でお茶菓子むさぼって!


次回は3/3の更新となります!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 教えたお菓子がよりによってくるみゆべしだったのがツボでした。よく作り方知ってたなw
[一言] 他の和菓子も教えたら気に入りそう
[気になる点] ディルムッドどこがNGだったんだろうなぁ。オーラ? [一言] 絵本みたいな世界に目を輝かせるイザベラちゃんの尊さよ( ˘人˘ ) アルマが妖精たちに教えたものが食べ物オンリーだったから…
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