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悪役令嬢、拾いました!~しかも可愛いので、妹として大事にしたいと思います~  作者: 玉響なつめ
第二章 守りたい、この平穏生活

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18

 ディルムッドとフォルカスと約束をした翌日。

 私はイザベラちゃんを連れて、町中に出ていた。

 今までは生活に必要なものを買うような、市場とか日用品を扱う店が集まるような通りを中心に案内してきたけれど今日はちょっぴり趣を変えて行動をしてみることにした!


「アルマ姉様? どこに行かれるのですか?」


「今日はね、ギルドを見学させてあげようかなって思ってね」


「ギルド、ですか?」


 冒険者ギルド。それはどこの国どころか、どこの町にもある。

 まあさすがに小さな村とかになるとないんだけどね。事務員雇うのだってタダではないので……。


 言っちゃえば民営の、企業みたいなもんだからね……。

 一つの国に複数あるギルドの、特に王都なんかに居を構える、その国のギルドを総括する総ギルド長がいて、その下に大きな都市のギルド長たちがそれぞれエリアの総括をしている。

 そんな感じで運営されているんだけど、年二回だったかな?

 ランダムに選んだ都市で総ギルド長が集まって運営会議をする。取締役会かって感じだけど、まさにそんな感じ。


 総ギルド長の中で投票して議長を決めて運営方針を話し合ったり、情報交換をしたり、ジュエル級冒険者の推薦やら権利剥奪やら会議しているらしい。

 らしいってのは、まあ、私もよく知らないからだけど。


 ちなみに各地の総ギルド長は引退と同時に後継を指名、それに対してその取締役会で過半数の賛成を経て新しい総ギルド長が選出されるって手筈になっている。人望とか経験とか、そういうのが大事らしいよ。


 とまあ、ギルドは案外きちんと運営されている。

 前に仲良くなった受付嬢によると、福利厚生も結構整っているらしい。


 ……もしかしてギルドシステム作ったのって私と同じ転生者じゃないのか……?

 なんて思った日もありました!


 結局のところ人間が集まれば国ができるように、こういうシステムって勝手にできるんだろうなって今では思うことにしている。


(別に他の転生者がいたところで、私の生活が変わるわけじゃないしね)


 いたとしても『へー、そうなんだ』で終わるわ。興味ないもん。


 で、まあそれはともかく。

 今回ギルドに連れて行くのは、今後私と一緒に旅することになった時にはお世話になるからね……雰囲気に慣れておいてもらおうかなって!

 ライリー様が直接治めるカルライラ領のこの都市は比較的穏やかな方で、ギルドも礼儀作法が行き届いている感じ。

 もっと荒れた地域だと、ギルドにいる職員も冒険者達もまさに荒くれ者って感じだから、そんなのがイザベラちゃんに絡んだ日には私が燃やしちゃいそうだからね!


「まあギルドに寄ったらその後にちょっと買いたいものがあるんだー。それから市場に寄って帰ろうね」


「はい、姉様」


 笑顔でのお返事、可愛いなあ……!


 ちなみに『ちょっと買いたいもの』はイザベラちゃんの髪飾り。

 編み込んだり色々いじらせてもらっているけど、お世話になりっぱなしだから……って遠慮して身を飾ることはしないんだよねえ。


 くうっ、どこまでも健気で愛しい。


 おねえちゃんとしては、色々甘やかしたい気持ちがこう……あふれ出てくるわけですよ。

 だから有無を言わさず受け取ってもらおうかなって!

 さすがに大きな宝石をあしらったネックレスとか下品なことはしないよ?

 デカいだけがいいってもんじゃないし、お金をかければいいってもんでもない。


 まあ、イイモノを買えばそれなりのお値段になるのは当然っちゃ当然の話なんだけど、それはさておき……折角だから普段から使えそうで、イザベラちゃんに似合うものを贈りたい。


(同時に、私の庇護下にあるんだと示したいしね)


 だからギルドにも連れていくわけだけど……。

 そうねえ、さすがに青真珠はやりすぎかなあ。束縛強いカレシか私はってなるもんね。


(でも一番わかりやすいんだよなあ)


 アメジストか、それともあればだけど紫真珠か。

 うん、紫真珠とかいいかも? いやでもイザベラちゃんのことだから値段を気にしそうだな。


「姉様?」


「うん?」


「ギルドの看板、通り過ぎましたけれど……」


「おっといけない」


 いけないいけない。真剣に悩んでいて失敗しちゃったよ!

 髪飾りについては宝飾店で考えるしかないね。そもそも石があるかどうかが難しいところだし。


(あれ、待てよ。紫翡翠とかいいんじゃないかな)


 それならお値段も手頃だし、色々なデザインもあるし、何よりこの領の特産品じゃないか。いやー、私ったら冴えてるー!!


「それじゃあギルド見学、パパッとしちゃおうね!」


「は、はい!」


「どうせだったらイザベラちゃんも登録しとく? 国外に出ることを前提に考えちゃいけないのかもしれないけど、取っといて損もないから」


「えっ、誰でも取れるものなのですか」


「取れる取れる。まあおねえちゃんに任せなさい!」


 基本的に冒険者登録だけだったら年齢制限とかないからね。

 依頼によっては年齢制限あるけど。

 それにこれはあまり公にはされていないけど、他国で奴隷だった人とか元犯罪者とかでも冒険者証は取れる。


 ただし、ルールが守れなかった時は恐ろしい目に遭うのだと心得てもらわないといけない。イザベラちゃんには、そんなものを見せたりしないけどね。


 勿論、彼女を傷つけようとする人がいるなら……おわかりだよね!


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― 新着の感想 ―
[一言] アルマの口癖は『まあ』ですか? やたらまあまあ言ってます。
[一言] 宝石付きの髪飾りって逆にトラブルを呼びそう
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