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悪役令嬢、拾いました!~しかも可愛いので、妹として大事にしたいと思います~  作者: 玉響なつめ
三部 第三章 聖女信仰

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3-21

 私たちは申請したとおり、ダンジョンに潜った。

 が、なんと厄介なことに、王子とその部下、やっぱりげんなりした顔をしたエドウィン君、そして【砂漠の荒鷲】のメンツと一緒になったのである。


 まあ、入り口で一緒になっただけで私たちは挨拶だけしてとっとと進んでやったけどね!

 大人数の利点は数の暴力だけど、行軍速度についてはやはり少数精鋭・息の合った私たち姉妹に敵うはずもなく、あっという間に距離を引き離してあげた。

 やったね! 静かだよ!!


「いやあー驚いたねえ。急がせちゃったけど平気?」


「は、はい! 姉様に以前教えていただいた速歩の魔法が早速役に立ちましたわ!」


「イザベラがちゃぁんと私の言いつけを守って魔力を巡らせていたからだよ、偉い偉い」


 褒めて撫でてあげればイザベラが照れながら嬉しそうに笑う。

 今までそんなに褒められたことがなかった……と出会った頃から言っていたから、私は褒めまくろうと心に決めて今に至るわけだけど彼女は未だに慣れないらしい。


 まっ、そんなところが可愛いんですけどね!!


「でも……まさかとは思いますけど、彼らもこのダンジョンの制覇を目指しているのでしょうか?」


「いや、違うと思うよ?」


 王子がゴネたんだか、それとも商人の中で【砂漠の荒鷲】をプッシュしたい連中の思惑なんだか知らないが、とにかくこのダンジョン自体はまだ碌に開拓されていない、いわばお宝の宝庫なのだ。


 ダンジョンというと危険がつきものなのは当然なのだけれど、それが遺跡や山などに発生するとそこにあったものを取り込んで尚且つグレードアップさせるという不思議な現象が時々起こる。

 遺跡の遺物はそれだけでも歴史的価値などがあるけど、それがマジックアイテムになっていたり……宝石は宝石でもクズ石だったのが大きな原石に変化したりとまあ過去にそういったことがあるのだ。


 そういうことを考えると、スポンサーとして【砂漠の荒鷲】たちを応援している側は是非とも彼らに開拓してもらいたいところだろう。

 無理がない範囲で、だけど。

 これまで育てるのにかかった支援の金額を考えるとそう簡単に脱落されては困るだろうしね。


 で、ここに来て他国の王族とパイプが作れたら【砂漠の荒鷲】を売り出すのに役立つだろうってところじゃない?


 あ、王子?

 イザベラのことをまだ真なる聖女とか言って追い回したいけど、話し合いはもう無理だから私たちのダンジョン探索に無理矢理着いていくために『ダンジョンを見てみたい』とかなんとか言ったんじゃない? 知らないけど。


「まあ、あの子たちの足で私たちについてくるのは無理でしょ!」


「そうだと良いのですけど……」


 イザベラの心配はもっともだ。

 ここで何かあっても私たちが責任を問われることはないけど……後味は悪いよね、きっと。


(まあ、ある程度は削っていけばいいか)


 っていうか、しつこくない?

 しつこいヤツは嫌われるってのは世の定石だと思うんだよね。


 私たちはきちんと(・・・・)関係ないって意思表明したんだし、そもそもあちらがイザベラとの関係を切り捨てた挙げ句に謝罪らしい謝罪もなかったんだから、本当に今更謝ったところでどうこうなると考えるその甘さが理解できない。


(まあ、あの子たちじゃ最深部まできっとたどり着けないでしょ。エドウィン君が引き際を見極めてくれれば大丈夫。……できるよね?)


 ライリー様たちの教育をここは信じて置いていこう。

 ヴァネッサ様のスパルタ教育でも元気そうだし、きっとなんとかなる!


 私たちは私たちでやるんだし、あっちは勝手に参加だし……気を配ってあげるってのも変な話だもんね。


「それじゃあ、遺跡探索張り切っていこうか!」


「はい、姉様!!」


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― 新着の感想 ―
[一言] 着いてこられても足手まといなだけだよねぇ
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