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悪役令嬢、拾いました!~しかも可愛いので、妹として大事にしたいと思います~  作者: 玉響なつめ
二部 第五章 妹と、妹

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2-50

「じゃ、気をつけてね」


「ああ。アルマもな」


「ディルも途中寄り道なんてしないでとっとと片付けてきてよね」


「あーあ、帰りたくねえなあ!」


 私たちは、分かれ道でそんな言葉を交わし合う。

 フォルカスは、聞きたいことができたということで黒竜帝の元へ行き調べ物をするために残る。

 残ると言っても実は女王様にも秘密で、転移魔法を使って行くらしい。

 なんでも、本来はあの山自体が聖域というか、黒竜帝の縄張りなので結界のようなものが張られており普通の人間では転移魔法なんて使っても行けないらしいけど……そこはうちの父さんがオトモダチ特権で連絡をとってくれたから問題ないようだ。


 なんで内緒なのかって?

 弟と妹にこのことが知れると面倒になるのが目に見えているし、女王様には弟妹たちの教育に全力を注いでほしいからだそうだ。


 私は彼らと拳を軽くぶつけあった。

 どうせまた後で合流するんだから、行ってらっしゃいの意を込めてだ。


「じゃあエドウィン君によろしくね」


「おう、ちゃんとイザベラからの手紙も渡すから安心しろよ。……もしかしたらヴァネッサの婚約者にでもなってるかもな」


 ククッと喉を鳴らして笑うディルムッドは、カルライラ領に一度戻る。

 戻って、この件で小説に出てきた『王子の側近』とやらがエドウィン君であることを想定して、王子や彼に接触するものがいないようライリー様を通じて警告をする予定だ。

 勿論、エミリアさんの安否だって気になるしね。

 彼女は辺境地での聖女活動に嫌気がさしているかもしれないし、そうだとしたら自由にしてやるとかそういう甘言に乗っかってしまう可能性だってある。


 それならそれで自業自得だと思うけど、どうにもきな臭い件に突っ込んでいくのは一応止めてあげたいというイザベラの意見に私たちも同意した感じだ。

 手をひらりと振ったかと思うと、馬を走らせて去って行ったディルムッドを見送って続いてフォルカスが転移の魔方陣を完成させる。


「アルマ、……くれぐれも無茶はするな」


「心配性だなあ、大丈夫だよ。父さんもイザベラもいるし、家族旅行のついで(・・・)でソロニア商会見物行ってくるからさ!」


「……ああ」


 そして私たちは囮役でもあるので堂々と観光をして回るというわけである!

 まあ、一応父さんの知り合い(・・・・)に情報を聞きに行くのも含め、どうせだったら世界でも有名なソロニア商会の拠点を見に行ってやろうじゃないかということで落ち着いたのだ!


 決して私が楽しみたいからではない。

 ちょっぴり珍しい香辛料があったらいいなとか思ってない。思ってないったら。


 下手にその考えを口に出したら父さんがひょっこりどっからか持ってきて馬車に積み込んできそうで怖いからな!


 まあそんなこんなで私たちは別行動を決めた、それだけの話。

 後々、ソロニア商会の拠点がある砂漠の国のオアシスで落ち合う予定なので、寂しいなーとかそういう感覚もないしね……。


「砂漠の国かあ、久しぶりだなあ」


「わたくしは、初めてですわ……ドキドキいたします!」


 フォルカスが転移したのを見送って、私たちも出発する。

 日差しも強くなることを考えて、途中でイザベラの服を買い足さないと行けないかも知れないなあと思っていると、後ろの荷台から父さんが顔を覗かせた。


「そうそう、アルマの手紙はいいのかね?」


「え? ああ……忘れてた。父さん、御者代わって」


「かまわんよ」


 女王様には後で見るって言っておきながら、父さんに言われるまですっかり忘れてたわ。

 そう思いながら封筒を開ければ、なかなか綺麗な文字がそこには並んでいる。


 まあ、予想通りと言えば予想通りなんだけど、決して旅の安全を祈るような内容ではなかった。

 その上、悪役令嬢を拾って助けても結局悪役令嬢は悪役令嬢でしかないんだ……なんて書いてあって呆れてしまったよ。


(別にいいじゃない、悪役令嬢)


 割と真っ当なことしか言ってなかったわけだしね!

 とはいえ、私が知るのは漫画版の一幕だけなので、マリエッタさんが知っている内容とはまた違うんだろうけど。

 きっと彼女はヒロイン側に感情移入するタイプの人で、だから些細なことで責める悪役令嬢は憎むべき敵役でしかない。


 とはいえ、現実と物語(ストーリー)は違うものだと今回の件で学んでくれてればいいんだけど。

 あんまりお付き合いしたい人ではないけど、フォルカスの妹だと思えば不幸になってほしいとも思わないし?


(あー、でも彼女からして見たら最愛の兄を奪われたんだから、私が不幸の元凶か!)


 そう思うと苦笑が漏れた。

 イザベラが、不思議そうな顔をして私を見る。


「姉様、どうかなさいまして?」


「んーん。うちの妹は可愛いねえ!」


 マリエッタさんの手紙には、悪役令嬢はなるべくして不幸になったんだから今後もきっとそうなる……なんて書いてあったんだけどさ。

 私は手を伸ばして、イザベラの頭をそっと撫でた。

 嬉しそうに微笑むこの子の姿を見たら、そんなのどうでもいいって思うのよね。


 悪役令嬢、拾ったんならやっぱり私がおねえちゃんとして責任をもって可愛がってあげればいいだけの話よね!


これにて第二部終了です、次回9/15に普通に第三部が始まります笑

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[一言] お父様重役出勤( ˘ω˘ )
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