プロローグ~死んだ男のその先~
どうもこんにちは、VOSEと申します。
前の作品や、ツイッター、『ハーメルン』ではVVVFとしていますが、今作からは『VOSE』(読み方はボス)というペンネームでやらせていただきますのでよろしくお願いいたします。
さて、今作でございますが、こういう異世界転生もいいかなぁなんて書いた、僕自身2作目のオリジナル作品(1作目は1話止まりですが)でございます
至らないところがあるかもしれませんが、ぜひ読んでいただいて感想やアドバイスをもらえるとありがたいです。
では、2作品目最初の話、どうぞご覧ください
…1945年…
終戦間近のフィリピンにて…
「うおらぁぁぁっ!」
1人の男が敵国軍に殴り込んでいった。
男は数少ない物資を活用して、敵国兵の数を減らしていった。
が、敵国軍の数が多すぎたのだ。
さらに、男は敵国が仕掛けた地雷により、足が無くなるほどの大怪我を負った。
「クソォォォ!」
男は最後の力を振り絞って敵国に銃を向けて撃った。
が、敵国が男に銃を放ったところで、男の視界は暗くなってしまった。
(あ…俺は…死んでしまったのだな…)
男は遠のく意識の中、好きだった家族を思い出していた。
そんな時だった。
「…木之本寛平さんですか?」
少女の声が囁いてきた。
(…誰だ…)
「私は神です…と言っても、信じてくれないとは思いますけど」
神と名乗る少女の声に、男…木之本寛平は自分を嘲笑うように、こう心の中で言った。
(神が何の用だよ…国を守れなかった俺を笑いにきたのか?)
寛平はそう言うが、神と言った女の子は一切笑わなかった。
「あなたの今までしたことは間違いではないです…木之本寛平さん…またの名を…『修羅』」
(あー、そう言われたっけな。親友に)
寛平はまだ自分を嘲笑うように言った。
「それでも、あなたは上司の命令に従わず、傷ついた敵国兵や現地にいた人を助けていましたね?」
(俺は…戦争なんざしたくねぇんだ…でも…国を守るためにやるしか…)
寛平の口調は嘲笑っていても、どこか心残りがあるような感じを醸し出していた。
「その国は、敗れました」
少女は声を落としながら、単調に告げた。
(やはりな…これで日本は終わりだ…)
「でも、日本は明るい未来に向けて動き出しているのですから、大丈夫ですよ」
(なるほどな)
寛平は軽い気持ちで少女の声に返事した後、続けてこう言った。
(なぁ…神なら、俺を現世に戻してくれねぇか?その明るい未来ってのを見たいからよ…)
しかし、少女は否定した。
「残念ながら、今の私にはその力が無いのです…戻しても、あなたのその魂が消えてしまうだけなのです…」
(んじゃ、俺は一生三途の川を渡るって事か)
寛平はそう言ってまた嘲笑うように言った。
「でも、今の私の力だと、別の世界であなたを復活させることが出来ます」
(ほうほう…)
男は少女の言葉に、すぐに食らいついた。
「あなたの体や能力はそのまま受け継がれ、転生させることができます。あなたの場合は、その頭や身につけたスキルが大いに役立つと思いまして」
(戦争で手に入れた能力が継がれるって…あまり嬉しくないな)
淡々と話す少女に、寛平は苦笑いしながら言った。
「特に目的などを設けるものは無いのですが、強いて言うなら、私があなたを転生させる世界には、願い事を何でも聞く王冠…『キングス・ザ・クラウン』と呼ばれるものがあるのです…もし、日本に戻りたいのでしたら、それを手に入れることもいいかと思いますよ」
(わかった…参考にさせてもらうよ)
と、ここで、寛平は一つ疑問に思った事があった。
(そういや…君の名前は?)
寛平は少女にそう言ったのだが、少女は聞く耳を持たなかった。
「それでは、異世界へ…」
少女は一言、そう言っただけでどこかへ行ってしまった。
それと同時に、寛平の目は覚めた。
「…ここは一体…」
体を動かした寛平は、辺り一帯緑に囲まれた森を見渡した。
寛平の、無くなったはずの足はきれいに戻っており、銃によってついた傷は何一つついていなかった。
「…体が戻っているのか…」
元通りになっている体をかみしめながら、寛平はゆっくりと立ち上がったのだった…
いかがでしたでしょうか?
まだプロローグだけしか出していませんが、ストックとしてまだ2話ほどあるので、それらも出していけたらいいなと思っております。
最後ではございますが、これからも出していきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。