表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

91/247

異世界ルール まとめ4

 


 《これまでに学んだ異世界のルールを、各国の王様が解説してくれました》



 ◯ 紋章システムという便利な道具があります


 〈セシル〉

 我が紋章システムを開発した理由は、飢えに苦しむ子らを無くそうと思ったからじゃ。500年前は戦争が多くてな。画期的な開発はすべて、戦争の道具じゃった。我は不思議じゃった。この画期的な技術をなぜ他の事に使わないのか?とな。


 我は転生を繰り返して、何百年も経ったある時に思ったのじゃ。人は飽きもせずに戦争ばかりしておる。争うことしか、やる事は無いのか!と。我はだんだん怒りを覚えてのぅ。

 商人として活動しながら、各国の画期的な道具や術の情報を仕入れて、知識を統合、その知識で紋章システムを開発したのじゃよ。


 じゃが、元々、紋章システムは呪われし者を見つけるためだけに開発したからのぅ。飢えに苦しむ者達に授けて保護し、必要無くなれば、皆、出て行くと思っていた。それが、皆、出ていかなくてのぅ。それどころか、どんどん人が増えたのじゃよ。


 パートナー精霊には、捕縛機能もあるからのぅ。監視されているようで嫌だと感じて、すぐに出て行くと思ったのだがな。それ以上に便利な道具だという事が分かって、手放せなくなったようじゃ。


 それからじゃよ。戦争が無くなったのは。


 紋章システムを利用する人々が増えたことで、金の価値が無くなったからな。戦争ばかりやっていた各国は、大慌てじゃったなぁ。


 結局、最後まで戦争していたのは、紋章システムを受け入れなかった者達じゃった。監視されている、非人道的だ!そう言って拒んでいた者達ほど、何か悪いことを企んでいる者達だったのぅ。


 我は、人々を管理しようとした訳ではないからな。法律は無いし、税金も無い。唯一あるのは、人を害してはいけないというルールだけだ。


 紋章システムの秘密を探ろうと各国のスパイも多く入って来たが、そやつらも結局は便利なシステムに負けて、こちらに寝返った。


 まぁ、そういう訳でこのシステムが世界を統一したのじゃよ。





 ◯ 生きる自由と死ぬ自由があります


 〈セシル〉

 今のアースの先進国と呼ばれる国には、生きる権利があるらしいのぅ。でも、死ぬ権利は無い。

 我には不思議じゃ。なぜ死ぬ権利が無いのか?

 我が思うにそれは、宗教観が大きく関わっておるからじゃな。アースにある宗教では、自殺を良しとしないものが多いからのぅ。


 エレメンテでは、元々、大地に還るという考えがあってな。本人がそうするべきだと真摯に考えた結果、それを選ぶならば、誰にも止められない。


 アースにも即身仏というのがあるじゃろう?現代のアースでは、これは自殺として扱われるのだろうな。


 エレメンテでは、一人では生きていけなくなった者は、緩やかに死に向かうのが自然の摂理じゃと考えられておる。


 精神的にも身体的にも限界で、穏やかな死を望む者を生かし続けることは、良い事なのかのぅ?本人の意思に反してでも、生きて欲しいと願うのは、なぜじゃろうな?異世界生まれの我には理解できないことじゃよ。


 エレメンテでは、パートナー精霊がいることで、自ら死を選ぶ人はほとんど居なくなった。が、少数ではあるが、安らぎの大樹を選ぶ者もいる。


 多くが、大切な人を亡くした者や病気で余命わずかの者じゃ。紋章システムという便利な道具があっても、死を無くすことや病気を根絶することはできないからのぅ。


 穏やかな死を望む人を周りの者達が生かし続けることで、グールに取り憑かれ、怪異となる場合もあった。だから、安らぎの大樹があるのじゃよ。


 わずかでも生きたいと思っている者は、パートナー精霊が生きるための方策を示してくれる。パートナー精霊は、分身じゃからな。嘘はつけない。だから、この世界には、深く考えもせずに勢いで死を選ぶ者は居ない。可能な限り、生きることを選ぶようにパートナー精霊が導いてくれるのじゃよ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ