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番外編 ミライのお勉強ー1

 


 タクミのパートナー精霊のミライだよ!


 今日は、紋章システム修行についての話をするよ。ミライがどうやって学んだかをジルが知りたいって言うから、ジルのために記録しているんだ。

 本当はジルがいろいろ教えてくれるはずだったんだけど、ジルはいまスカラにいるからね。


 ジルをスカラに連れて行って、ログハウスを出したリオンとシオンが言ったんだ。

「ドグーがお前を鍛えてくれって言ってたから、今日から勉強するよ!」って。


 勉強って何?って思ったんだけど、面白そうだから、教えてもらうことにしたよ!




「ミライは、紋章システムに接続したばかりだからね。タクミと一緒にまずは使い方を覚えるんだ。」とシオンが言う。


「使い方?」

 ミライのパートナーのタクミが、不思議そうな顔をする。


「普通のパートナー精霊は、子供の頃から一緒にいるから、アレを出して!で通じるようになる。でも、タクミとミライはまだまだ経験が少ないからね。タクミがミライにお願いするときは、必ず用途をハッキリ伝える必要があるんだ。」


「分かったけど、具体的にどんな感じでお願いしたらいいのかな?」と、タクミが言う。


「タクミって、まだ昼ご飯食べてなかったよね。ミライにご飯出してってお願いしてみよう。どんな感じのご飯がいい?」


「そうだなぁ。ジルのことを考えると、今日はなんだか食欲がないからね。お腹に優しいものがいいな。」


「お腹に優しいものって言い方だとミライは分からないよ。温かいお粥みたいな食べ物なのか、野菜いっぱいの健康的な食べ物なのか、具体的にハッキリ言わないと。」


「うーん。難しいね。元々、僕は食にはあまり興味がないからなぁ。食べられるものだったら、結構なんでもいいんだけど。じゃあ、そうだな。野菜たっぷりの鍋みたいな食べ物をお願い!」


「あい!」

 元気良く返事をして、ご飯を出す。

 食卓の上に出現したのは、すき焼きのような食べ物だった。野菜も入ってるけどお肉たっぷりだ。


「ミライ、僕は野菜が食べたかったんだけど。しかも肉たっぷりって。」


「タクミにはたくさんのご飯が必要!だから、これにしたよ!」


「おっ、ミライ。良い子だ。タクミの身体に必要な栄養を考えたメニューにしたんだね?」

 シオンがミライを褒める。


「そうか。僕はたくさん食べるようになったんだった。ありがとね!ミライ!」


「あい!」

 タクミにお礼を言われたミライは、嬉しそうに返事をする。


「毎食、こんな感じでミライにお願いするんだよ。もう僕達は出してあげないから。何か欲しいものがあったら、ミライに頼むんだ。」


「はふ。ふぁふぁったよ。」


「だからぁ。口にご飯入れたままで、返事をしない!」

 タクミがリオンに怒られている。


「食べ終わったら、個人への連絡の仕方とメモリアへの接続方法を教えるからね。」


 まだまだ覚えることはいっぱいあるようだ。





「食べ終わったようだね。じゃあ、ミライ。食べ終わったものを片付けて。紋章システムに接続してるから、基本的な使い方は考えなくても分かるだろ?そう、そうだよ。上手だ。」


 タクミの食べ終わった食器とかを紋章システムに収納すると、シオンが褒めてくれた。ミライは褒められるの好きだな。なんだか嬉しくなるから。


「簡単な方から、やってみよう。まずはメモリアへの接続。各個人が公開している記録、それがメモリアだ。そうだな、エアリーのライブ映像が公開されてるはずだから、見てみよう。」


「ランキング1位の人なんだよね?どんな感じなんだろう?」

 タクミがワクワクしながら、お願いしてくる。

「じゃあ、ミライ。アイドルランキング1位のエアリーのメモリアに接続して、ライブ映像を出して。」


「あい!」

 ミライが元気良く返事すると、空中にきらびやかな映像が現れる。


 立体映像だ。

 日本のアイドルのような可愛い服を着た子が、歌って踊っている。

 歌もダンスもすごく上手いが、それ以上に舞台装置がビックリだ。エアリーが空中を飛びながら踊っている。


「なに?この映像!すごい、どうなってるんだ?実際に見てみたい!」

 タクミが興奮している。


「だよね?だから、エアリーのライブチケットは人気なんだよ。実際に見てみたいって人がいっぱいいるからね。」

 一緒に映像を見ているリオンが言う。


「この世界の人達は、こんな風に映像を公開してるの?」


「そうだよ。アースにもあるだろ?動画投稿サイト。そんな感じだよ。アースと決定的に違うのは、金儲けが目的の人はいないからね。人を不快にさせるようなメモリアを公開してる人はいないってこと。」


「あぁ、近年問題になってるね。人と違うことや過激な動画を公開しないと再生回数が稼げないからって、どんどん過激になってるってニュースで見たよ。って、そういえばここにはニュースみたいな報道は無いの?」


「アースみたいなテレビや新聞は無い。情報が欲しい場合は、各個人のメモリアに接続することが多いかな。」


「え?でもそのメモリアの情報って正しいの?」


「メモリアを公開する場合、厳格なルールがひとつだけあるんだ。それは事実か創作かを明確にすること!」


「事実か創作?」




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