異世界ルール まとめ2
《これまでに学んだ異世界のルールを、各国の王様が解説してくれました》
◯ イジメという概念はありません
〈セシル〉
人が集団で暮らしていれば、必ず精神的苦痛を感じる場合があるからのぅ。そういう言い方はダメ、こういう扱い方はダメ、と規制しても、キリがないわ。同じ出来事でも、人によって感じ方が違うからな。
加害者だけを処分しても、そのような輩はドンドン現れるだろうしな。そして、子供の場合は被害者が加害者になる事も多い。
道徳的教育が必要じゃが、道徳はその時々、文化や時代によって異なるからのぅ。
例えば、パワハラ、セクハラをまだやっておるのは、時代の流れに取り残された者達じゃよ。そ奴らは、自分は正しいと思っておるからのぅ。自分達の時代は、それが普通だった。だから何が悪いのだ!と思っておるぞ。
子供同士のイジメの場合は、想像力、共感力が足りないから、起こる場合が多い。同じ事を自分がされたらどう思うかを想像し、さらに他者の感情に共感する。イジメている側は、多分、それすらしないのだろうな。いや。想像、共感して、なお、イジメておる場合もあるかのぅ。自分がイジメられる前に、他人をイジメてやろうとな。
まぁ、そんな輩はどこにでもおる。だから、そ奴らが、行いを正すのを待つより、どうして自分は精神的苦痛を感じるのか、どうしたら自分の苦痛が消えるのかを考えた方が早いのぅ。
他人を変えるより、自分を変える方が早いし、簡単じゃよ。ただ、心が弱ってる者に自分で変われというのは、難しいのぅ。誰かの助けが必要じゃ。
エレメンテでは、精霊がその役割を担っておる。それぞれの精霊が、それぞれの人のメンタルケアをする。その人にあったケアが重要じゃからな。精霊は産まれた時から、一緒じゃ。本人の好みを、本人より知っておる。そういう存在がメンタルケアするからのぅ。効果はバツグンじゃ!
◯ 結婚という制度はありません
〈トール〉
エレメンテでは、全国民に衣食住を保障しています。産まれた子供は16歳になるまで、ファミリアという施設で育ちます。
子供を授かった母親はセシリアに移住して、各ファミリアで出産、そして、子供はそこで大事に育てられる。
母親と父親の庇護を必要としないので、結婚という制度は自然となくなりました。
日本の結婚に似たような生活をしているカップルもいますが、いまのエレメンテでは、珍しいです。
詳しいことは、これから向かうセシリア王国の各ファミリアで学んでくださいね。ふふっ。