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異世界ルール まとめ8

 


 《これまでに学んだ異世界のルールを、各国の王様が解説してくれました》



 ◯子供の頃は自給自足で生活します


 〈セシル〉

 この世界には、紋章システムという便利な道具がある。しかし道具はいつか壊れる運命じゃ。そうなった時に困らないように、この世界の子供達は自給自足の生活を学んでおる。

 もちろん、それだけが理由ではないがのぅ。便利な道具を使うためには、使う側が賢くなくてはいけない。だから、子供の頃に自給自足を学んで、生活の大変さを知るのじゃ。

 なんでも紋章システムがしてくれるとなれば、人は何もしなくなるからのぅ。


 自給自足で生活しようと思うと、じつはものすごく大変だ。その大変さを何とかするために、昔から道具が開発されてきた。道具とは、少しでも快適な生活をしたいという先人達の知恵なのじゃよ。

 それと同じで、どんなに便利でも紋章システムはただの道具。日本にある家電と一緒だ。


 今の日本で、もし、家電や電気が使えなくなったら、生きていけない人が多いのではないか?

 それでは困るのでな。我は紋章システムを開発すると同時に、自給自足を学ぶ教育を始めたのじゃよ。


 生活の基礎である衣食住を学んでいる子供達は、どんな事があっても強く生きていける人になるじゃろう。





 ◯スローライフとは、便利道具があってこそ成り立つものです


 自給自足、田舎暮らしがスローライフだと思っておる者もいるかもしれないが、それは間違いじゃ。

 何かを育てることは、とても大変なことなのじゃよ。それこそ、休みなく働かなくてはいけないのぅ。

 それを助けてくれるものが、道具じゃ。道具は、人を幸せにするためにある。働く時間が減れば、他にいろいろな事ができる。


 しかし、そうなると困る事が起きるのも事実だ。生活に余裕ができると、本当にこれでいいのだろうかと悩む人が増えるそうだ。事実、アースでは生活に余裕のある人の方が、悩みが多いらしいぞ。

 生活に余裕の無い人は悩んでるヒマもないからのぅ。毎日、何かやる事があるというのは、幸せなことなのかもしれない。


 この世界では、紋章システムという便利な道具があるから、いろいろな事を考える時間もいっぱいある。


 悩みとは、精神的な苦痛や負担を感じることだ。悩みがあるとそれを何とかしようと、自ら命を断つなど、極端な行動をとる場合もある。しかし、この世界にはパートナー精霊という精神安定剤があるから、そんな事を実行する人はいないのじゃよ。


 便利な道具はどんどん開発されるべきだ。そんな便利な道具があったら人間がダメになってしまうという考えの人もいるらしいが、それは間違いだ。道具は常に便利なものが開発されるのが、普通なのじゃよ。


 いまのエレメンテでは、精霊球が働いてくれるから、一人でも大規模なファームが管理できる。魔法のように思えるかもしれないが、日本にある家電も昔の人間が見たら、魔法だと言うじゃろうな。


 いつかアースでも、このような便利な道具が開発されるかもしれないな。その時ようやく、本当のスローライフを満喫できるようになるじゃろう。




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