サプライズの代償
先ほどのヒーローショー。もちろん、それは問題となった。
会長は楽しんでいたようだし、親も笑っていたのだが、先生方は完全に怒っている。まあ、怒っていない先生もいるようだが、教頭はかんかんである。
そして、俺らは呼び出された。
「卒業式にあんなことをするとは!! けしからん!! 停学じゃ停学!! そして各々反省文を書くように!!」
と言われた。
今停学になるとあれだ。始業式まで行かなくていいのだ。
こうして、俺を含む非モテ集団及び、空と竜太郎、そして百瀬さんは停学処分となった。
「ちぇー。あたし手伝っただけなのによー」
帰る道中、百瀬さんはそうこぼしていた。
もちろんこちらから頼んだので、俺らに非はあるが、なぜか百瀬さんは笑っていた。どうやら、そう言いながらも楽しんでいたようだ。
「まあまあ。そういうなよ。楽しんでいただろうが」
「まあな」
恭一郎は笑いながら言う。
「まあ、俺も頼まれたからやっただけだがよ。流石に停学は成績に響くな。これじゃいいところつけそうにないぞ」
「じゃあ私のところで働く?」
と、空が提案した。
「……まあ、考えとく」
といって竜太郎は何も言わなくなった。
「いやー、停学になったでござるな。見事に」
「だけど後悔はしていないっすね。楽しかったっす」
たしかにな。
でも、よく停学で済んだな。俺はてっきり退学になるかと思ったが。そういう処分をしない辺りは楽しんでいたんじゃないだろうか。教頭、楽しかったならはっきり言えばいいのにな。
「あれから結局答辞とかどうなったんだろ」
「知らね。あたしずっと外にいたし」
「あの後すぐに呼び出されたからねえ。そして警察には事情聴取されるわ」
もちろん警察には連絡していたのだが、細部にまではきちんと伝わっていなかったようである。俺らは警察署に行って事情聴取も済ませた後だ。今は。
「まあ、大掛かりだったな。いつから考えていたんだよ」
「バレンタイン当たり、かな?」
「むうう。ワタシにも伝えてほしかったでゴザル。ワタシも手伝うって言ったでゴザルのに!!」
「いつからいたんだよヴァレンタイン!?」
神出鬼没過ぎるだろ!! ちょっとびっくりしたわ!!
「ワタシ当日何もしてないデス!! ズルイ!! 準備とかしかワタシしてないデス!」
「いや、ヴァレンタイン氏もヒーローショー楽しんでいたでござる」
「あれは日本の勉強だと思ったのデス!! ワタシもウラカタヤリタカタ!」
何? 洒落?
「ごめんっす。でも、本当に仕事なかったんすよ?」
「か、カメラとか回せるノニ!!」
「……カメラは私がしたわ」
「先約がいたでゴザル!!」
頭を抱え込むヴァレンタイン。そして、拗ねてしまったのか、俺らのほうを向かなくなった。俺らが話しかけても何も反応はしていない。
ありゃりゃ。こりゃ無理にでも仕事を与えるべきだったか。
「そ、その、ごめんでござる。だから機嫌直すでござるよ」
隆が優しく言っても無反応である。
「ヴァレンタインは裏方で頑張っていただろ。十分。準備とかしていたからそれも十分ウラカタだ」
見かねた竜太郎もフォローに入った。
すると、ヴァレンタインは竜太郎のほうを向く。
「本当でゴザルか!! ワタシウラカタシテタ?」
「あ、ああ」
詰め寄られて照れている。
そして、
「メルシー!!」
といって、口と口をくっつけた。もちろんそれはキスである。
濃厚なキス。竜太郎は驚いているのか何も抵抗はしていない。隆は、少し微笑んでいた。というか、動かない。し、死んでる?
「ぷはっ!!」
「デュフフフ……。今のは感謝のキスでゴザルよ」
「ふ、フランスって愛情表現が単純というか」
顔を赤くしていた。
何気にお初のキスらしい。
と、その時空の携帯が鳴る。
空が電話に出ると、わかったといって切った。
「えーっと、今から四之宮家に来てだってさ」
とのことだった。
最近内容が薄くなっていたのはネタ切れもありますが一番な要因はゲームです。ゲームに現を抜かしていました。
弁明させてもらうとすると、ド○クエが面白すぎるのがいけない




