表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
非モテ集団の筆頭である俺が美少女と付き合い始めました  作者: 鳩胸 ぽっぽ
ようこそフランスからの転入生さん
82/291

キスの講義

朝のホームルームが終わると空がヴァレンタインに向かってくる。


「あの、人の彼氏にき、きき、キスしないでくれない?」


先ほどの濃厚なキスにまだ動揺しているらしい。


俺もだ。


「んん?キュータの恋人ですか?」

「そ、そそ、そうだよ!」


空はなんだか気が動転しているみたいである。俺も、さっきのような暖かい感触を忘れることは出来なかった。

ファーストキスは恋人ではなく隣の外国人美少女に。なんだか複雑な気分である。


「そうなんデスね。ですがキスは挨拶みたいなものなのデス。辞めろと言われてモ……」

「うっ、文化の違いか……」

「それに、ワタシはキュータを親愛してイマス!ワタシはフレンチ・キスは親愛している人、敬愛している人、性愛している人にしカしまセン!」

「性愛……。ってそれって恋人ってことじゃん!」


性愛……。男女間の性的な愛じゃないか。

想像しないでおこう。


「モウ。そんなに言うならキスしたらどうデスか?ソラもキュータにキスすればいい話デス!」

「「えっ!?」」


俺らは顔を見合わせる。

ヴァレンタインはキラキラとした目でこちらをみていた。い、今キスしろってこと?


俺は空をみる。空は俺をみる。


空はこくりと頷いた。そして、目を閉じる。


やれってことか!?


「うぅ……恥ずい」


俺は唇を近づける。

空の可愛い顔が近づいてくる。隣からは「きゃー!」とか聞こえてくる。見られてるよ。ああ、恥ずかしい。







「ってわあ!?」


俺が目を覚ますと保健室のベッドの上にいた。

隣には平然とした顔の空。な、なんだ夢か……。


「お、おはよう久太くん」

「おう。おはよう」


空の顔を見る。

あのキス顔が、脳裏にまた蘇る。なんというか、可愛い。だが、あれは夢だったんだ。


「いやー、すげえいい夢見たさ。空と俺がキスするところ」


そういうと、空は固まった。

つんつんとつついてみても動かない。


「……いい夢だったな、俺と空のキス」

「…………」

「…………」


お互い無言になる。

……まさか。まさか、だよな?


「おっはよーごじゃいマース!キュータ!ソラ!元気デスかー?」


と、扉をあけて出て来たのは夢にも出て来たヴァレンタイン。

その時、疑惑が確信へと変わった。


「夢じゃ、なかった?」

「………………………………うん」


長い沈黙の後、答えた。


「お互い…恥ずかしくて、倒れたらしい…」

「…………」


……夢だけど、夢じゃなかった。

あれは現実?その後俺はぶっ倒れただと?

情けない。というか、公衆の面前だから恥ずかしいんだよ!わざわざ人目があるところでキスしたくないし!


「もう!キスごときでドギマギした人初メテ見ましタ」


流石、(アムール)の国出身……。大事なキスをごとき扱いするとは。


「キスでそんな緊張してチャダメ!あなたたちは竹馬の友なのデスか!」

「竹馬の友じゃなくて恋人……」

「竹馬の友?犬猿の仲じゃなくて……?」

「犬猿の仲デス。犬猿の仲なのデスか?!」


と、、問いかけてくる。もちろん俺らは首を振った。


「私は、久太くんが好き……だけど」

「お、俺も……」

「ならそれヲ表現しないト!好きという気持ちを伝えなキャずっと悩みマス!愛は直線でいいのデス!」


と、大きな声を張り上げて講義を行なっていた。

俺らは真剣に聞き入っていた。たしかに、その通りだ。悩み続けるだろう。


……でも、キスは無理です。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イラストレーターとユートゥーバー 新しいラブコメ小説を投稿してみました。是非とも読んでみてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ