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ゴー!修学旅行!①

朝の6時半。

俺らは学校の前に集められていた。といっても、これから起こるのは死のゲームとか、殺し合いゲームとかそんなんではない。そんなのあったら俺は絶対こない。


まあ、なにがあるかというと。


「これから修学旅行だぁぁぁぁ!!」


そう、修学旅行だ。

七時半に飛び立つ飛行機に乗るために一時間前に集合し、バスで新千歳空港まで向かう。

羽田を経由して広島にゴーです。


とまあ、バスの中でもクラスの奴らのテンションは高い。

二年生のメインイベントは楽しみでならなかったのだろう。友達と仲良く話している人も普段笑っていない秀才も笑顔でした。


俺はまあ、そこまでテンションが上がらない。

もちろん眠いっていうのもある。朝には弱いんだ。俺はバスの外をただ、眺めていた。


「それじゃ、見送ってくれる保護者の方に挨拶してから向かおう」

「母さん!土産待ってろよ!」

「いってきまーす!」


窓を開け叫ぶ彼らたち。

うるせえって。


そして、俺らを乗せたバスは動き出した。

普通、こういう時。異世界に転生するとしたらこういう時に事故を起こし、みんな死んで異世界に転生するパターンがある。

……少しだけ期待をしておこうかな。いや、死ぬことに期待してもだめか……。


バスの外を延々と見続けること三十分。

新千歳空港に無事到着。

到着して、まずは航空券を手渡される。


「それじゃ、手荷物検査受けてからまた上で集合な」


と、手荷物検査のところに先生が並び俺らも後に続く。

ああ、夏休みもこういう手続きしたな……。懐かしい。結構前のように感じる。


「そういや京都いったら佳に会えるかな?」

「さあ?ただ、あいつのことだから俺らが行くと情報を掴んでてなにか計画してそうだよな」

「ああ、あるかもね」


空と話していると俺の番が来た。

まあ、空と旅行と思えば楽しいか。








飛行機内。

そろそろ飛び立つ時刻となる。


俺らはシートベルトをがっちりとしめた。俺の席は窓側だから外の景色がよく見える。


あー、外綺麗だなー。


「ちっ」

「……」


隣では舌打ちが聞こえる。

言うまでもない。俺の隣は妹尾だった。


妹尾は空大好きで俺のことを憎んでいるらしい。殺したいと抜かしているクラスメイトの一人である。だが、殺意はあいつらより格段高い。


まあ、俺は身の安全を確保しておきたいところだ。


「お、飛び立つ」


飛行機が動き出した。

どんどん加速して行く飛行機。まるで加速世界に入ったような。違うな。

まあ、そろそろ来るかなあの衝撃。


「うおおおお!すげえ!」

「やっぱ飛び立つ時にこれくるよな」


ずっしりと重くなる。Gがかかってると言うのだろうか。

重くなる感覚は結構好きである。


っと。軽くなった。ここからは普通に過ごせばいいか。


「はあ、飛行機って初めて乗るから新感覚だ……。って、小鳥遊、お前よく落ち着いてるな」

「まあ、2回目だからな」


嫌いな俺になんで質問してくるんですかねえ。


「ふぅん。そう、なのか」

「なに?なんなの?」

「いや、気になっただけだ」


と、またそっぽ向いた。

なんなんだこいつ。






俺は小鳥遊 久太という男が憎い。

ただ、そう思っていた。会長に諭されるまでは。


イラついていた俺を宥めてくれたのは会長だ。会長が俺を諭した。


だからこそ、今反省している。


なぜ、西園寺さんが好きだからこそ彼女の幸せを応援しないのだろうか。自分が情けなくて仕方がない。

西園寺さんが好きな人が小鳥遊だ。なら、なんで俺は嫉妬している?カッコいいからか?それは違う。


俺は認める。人間的にも小鳥遊に劣っていると。だからわかる。

多分、小鳥遊の人柄に嫉妬している。怒っていても我を忘れない。俺とは真逆だ。

俺は小鳥遊が羨ましいのだろう。


まあ、その嫉妬も今日までだ。


幸い、同室なのだ。仲良くなれる機会はたくさんある。

仲良くなる……!よし、がんばるぞい。





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イラストレーターとユートゥーバー 新しいラブコメ小説を投稿してみました。是非とも読んでみてください。
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