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買い物終わりと瑞穂の今

 ペットショップを出るころには陽が沈んでいた。

 もう夕方近くで俺らは解散。


 「じゃ、またね猫又さん、百瀬さんそれと浜田くんに妹尾くん」


 といって俺も一緒に帰る。

 今日は誘いを受けたのだ。一緒に家でご飯食べようって。あっちから誘ってきたし、俺も一緒にいられる時間が増えるのは嬉しいので、快く了承した。

 あの宮前ってメイドいなきゃいいなあって思ってるが。


 まあ、今日は空がいるから大丈夫だろう。


 「今日は楽しかったねー」

 「そうだな」

 「ワンちゃん可愛かったよ。うちでも飼いたいなあ」

 「飼えばいいんじゃないの」

 「うーん。お父さんが犬嫌いなの。昔犬にかみつかれて入院したことあるみたいでさ」

 「なるほどな」


 犬にかみつかれて入院とは……。そら犬嫌いになるのは当たり前か。


 「面白いんだよね。犬をじっと見つめていたらなんか近寄ってきて足をばくりっていかれたの」

 「そうなのか?」

 「そうなの。で、その時の恐怖が今でも身に染みてるんだってさ」


 そら怖いわ。だって犬って俺もちょっと怖いし。小型犬ならまだしもゴールデンレトリーバーとか、ラブラドールレトリーバーとかちょっと怖い。

 

 「あ、犬で思い出したんだけどあれから久太くんのお父さんどうなったの?」

 

 なぜ犬で思い出した?


 「俺の父さんならまだ家にいる。だから瑞穂もまだ隆の家だ」


 父さんならあと一週間くらいで帰るらしい。

 早く消えてほしいのだが。で、まだ瑞穂を血眼になって探している。俺も家に帰るとつかみかかられ、瑞穂はどこだと聞かれる。そのたびに俺は手を振りほどき、部屋に戻ってカギをかけて引きこもっている。

 おかげで最近はテレビもろくに見ていない。


 「久太くんのお父さんってどんな人?」

 「簡単に言えば娘を愛しすぎている親バカ。愛しすぎててたまに犯罪すれすれ。というか犯罪を犯してるやつ」


 そう。今でこそなくなったが、昔、瑞穂が純粋で何も知らなかった頃に、いろいろとポルノ法に触れること…触れていることをやっていた。

 あの時は俺も家にいなかったし母さんが止めていた。

 でもここのところ母さん家に帰ってきてないんだよね。どこにいるんだろう。


 「な、なんかすごそう」

 「すごいぞ。妹の授業参観で応援うちわ作ってくるほどだからな」


 それはもう、アイドル張りに応援していた。

 そのせいか悪目立ちしてしまい、一年間笑われ続けていたらしい。で、いつしか応援うちわで応援されることをクラスの奴らが慣れてしまい、笑われなくなったらしいが、瑞穂としては恥ずかしかっただろうな。


 「とまあ、俺の父さんは俺も嫌いだからあまり話したくない」

 「ご、ごめんね」

 「いや、いいけど。って、家が見えてきたな」

 「そ、そうだね。じゃ、じゃあ上がってってよ」

 「ああ」








 そのころ瑞穂は隆の家で光たちとゲームをしていた。


 「瑞穂氏結構やるでござるな」

 「兄さんに鍛えられていますから」


 非モテ集団とゲームを楽しんでいる。

 その様子を見ているのは隆の妹の千夏だ。


 「兄貴と仲良くなれるなんて瑞穂さんって何者……」


 瑞穂を驚きの視線で見つめていた。

 そりゃそうだろう。部屋中にアニメのポスター貼っていて、家に遊びに来た千夏の友達はそれを見てドン引きしているからだ。そのせいか引かれるのは当たり前と思っていたのだが。

 ドンびいている様子はみじんもなかった。


 「あ、やった! 恭一郎さん吹っ飛ばした!」

 「この俺をやるとは見事だな」

 「俺は小寄を吹っ飛ばしたっす~」

 「……殺す」

 「残りは隆と瑞穂ちゃんのみっす!」

 「兄さんに鍛えられたんだから。負けませんよ」


 五人は大乱闘スマッシュシスターズで遊んでいた。

 恭一郎はマリコ、小寄はルイーミ、光はユッケ、隆はまちびと、瑞穂はロックウーマンを使っている。一ストック制で大乱闘だ。

 で、一番優勢なのは瑞穂である。


 「ロォォォック、バスタァァァ!」

 

 瑞穂がのってきたのか叫び始める。

 そして、隆が吹っ飛ばされた。


 「しまうができなかったでござる! む、無念……」

 「残りは俺と瑞穂ちゃんのデスマッチ! 気合い入れるっすよ! もちろん接待プレイはなしでいくっす」


 コントローラーを構えなおす瑞穂と光。

 そして、勝負をかけたデスマッチが始まろうとしていた。























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イラストレーターとユートゥーバー 新しいラブコメ小説を投稿してみました。是非とも読んでみてください。
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