文化祭が始まりました!②
いんm……ネタが少々あります。苦手な方はバック!
まあ微々たるものですが
久太が去ったあと。
隆と恭一郎は光を縄で縛り、宮古の前に連れてきていた。
「なにするんすか! うーわこの縄ほどけねえ!」
「ほら、宮古。当事者連れてきてやったぞ」
「ほら、思いのたけを伝えるのでござる」
隆たちはそういうも、宮古は驚きと照れ半分で何も言えなくなっていた。どんどん体の熱が上がっていく。ぐんぐん体温は上がり、爆発寸前になっていた。
だがその様子は知らず、隆たちは今か今かと待ち構えている。
小寄もじっと見つめていた。
(こ、この人たちが私のためにやってくれたんだから早く言わないと!)
内心ではそう思うも、口にはだせない。言おうとすると喉元の辺りで止まってしまう。
「光。お前の幼馴染さんがちょいとお話があるんだとよ」
「そうなんすか。それはいいんすけどなんで俺は縛られてるんすか? そういうプレイすか? 俺はそういうのNGなんすけど」
「安心しろ。拙者たちも光氏を縛って性的な快楽を得ようとは思ってないでござる」
「あたりまえだよなぁ?」
「その発言やめろっす! そういうの俺気持ち悪くてだめなんす!」
ネタを知ってるあたり一応見ているらしい。
「ほら、早く伝えろよ。宮古」
「案ずるより産むがやすしでござる」
「すー、はー、すー、はー。ご一緒に」
宮古は深呼吸を一回する。そして、決意を固めた。
「あ、あの、光!」
「な、なんすか?」
「ざわ・・・ざわ・・・」
「ざわ・・・ざわ・・・」
「キマシ……」
「しゃらああああっぷ外野! で、なんすか?」
隆たちは沈黙した。
「あ、あの、わ、私と……!」
「私と?」
「……学校祭一緒に回ろう!」
隆たちはがくっとつまずいた。
どうみても告白の流れだったのに、その流れを断ち切られた。隆たちにとってはものすごいひどい裏切りだが、宮古は頑張った。とても頑張った。
「いいっすよ。……まさかそれ言うためだけに俺を縛ったんすか?」
光がジト目で隆たちを見る。隆たちは上の空を向き、お互い目を合わせると、一気に逃げ出した。
「あ! 待て! ああ、ほどけねえ!」
縄で縛られたままの光は動けず、ただその場でじたばた暴れていた。
逃げてきた隆たち。
にぎわうクラスの教室の前で、息を切らしていた。
「はあ……。はあ。これで、光もモテたでござるな」
「本当にモテないのは俺らと小寄だけになったか」
「身内がモテるのは嬉しいのでござるが、どこかちょっと寂しいでござるな」
「そうだな。そのうち俺らとも遊ばなくなりそうだ」
隆たちはそういいつつマンガ喫茶に入っていく。
案内され、席に座ってコーラを注文し、漫画をもってきていた。もってきたのは久太のお気に入りの漫画。学校によく持ってくるので結構ボロボロだ。
それを、コーラを片手に読みふける。
「……やっぱ、面白いでござるな」
「ああ」
「恭一郎氏は今が楽しいか?」
「まあ、楽しいんじゃねえの」
「そうでござるか……」
会話はとぎれ、本に向かう。
二人はどこか寂しそうにしていた。寂しく、はかない。諦めたような笑顔で本をずっと読んでいた。
「……俺ら、どうしてモテないんだろうな」
「わからないでござる。まあ、言えることはコミュ力がまず不足してるのでござるな」
「見た目も普通だし趣味がきもいと思われてるのか」
「それもありうるでござる」
「やっぱ現実はくそだな」
「ほんとそれでござる」
二人はため息を吐いた。
そのため息は虚空に消える。
「なに黄昏てんだあんたら。陰気くせえな」
近寄ってきたのはミニスカをはいた肌黒の女の子。男らしい風貌だが女の子だ。短髪に制服がぴっちぴちになるほどのでかい胸。
まさに男勝りという感じだ。
「そんな暗えとあたしやりづれえじゃねえかよ。ほら、これ食って元気出せ」
出されたのはモンブラン。
「メニューにはねえあたし特製のモンブランだ。たんと食え」
「あ、あり、がと」
「恩に着るでござる。では、いざ実食」
隆と恭一郎はモンブランを口にする。
「「あっめえーーーー! うんめえーーーーー!!!」」
二人は、泣きそうになるのを抑えつつ、そう叫んだ。




