文化祭が始まりました!①
今回はみじかいです
学・校・祭!
リア充がお互い中を深めようとしたり、友情をもっと深くするためにあると言っても過言ではない行事だ。
その学校祭が、やっと、やっと来たのだが。
「宮古 春さん、かな?」
俺らは、目の前にいる宮古 春という女の子に声をかけた。
後ろには西園寺さん、隆、恭一郎、小寄を連れて。
「え?そう、です、けど」
「ちょっと話、いいかな?」
「へ?わ、私に何か用……ですか……?」
「ああ。まあ、すぐ終わる。あの、光について」
「何してるんだ。春。こんなところで」
俺が話そうとしたら突然現れたイケメンに阻まれた。
ちっ。なんだよイケメン。邪魔すんなや。
「え?あ、い、いや、ちょっと尋ねたいことがあるって…聞かれただけで」
「そうなのか。こいつらに虐められたというわけじゃないんだな?」
「拙者らが虐めるわけないでござるよー!」
「そーだそーだ!」
外野うるせえ。
「お前らには良い噂は聞かない」
「噂だけで判断しないほうがいいよ。足立くん」
西園寺さんが強気に前にでる。
西園寺さんがいたことに驚いたのか、少し後ずさっていた。まあ、俺の影にいたからな……。
「いたのか、西園寺」
「私は結構小波くんたちと話してるからわかるんだよ。結構いい人だよ。話したこともないのに噂で判断するのはダメだと思う」
「ビシッと言ってやれでござる!」
「そーだそーだ!」
「だー」
だから外野うるせえって。
西園寺さんに指摘され、狼狽える足立。足立は、敵意を向けなくなった。
「すまん」
「ふん。イケメンだからっていい気になるなよ。イケメンだからといってやっていいことと悪いことあるからな」
「ふふふ。拙者らが信じるイケメンは久太氏ただ一人でござるよ」
「お前ら……!」
お前ら!嬉しいこと言ってくれるなあ!
「まあ、聞きたいことあるなら聞きな。すまんな。茶々いれて」
と、足立は去っていった。
俺は見送ったあと宮古さんの方を向く。
「さ、聞きたいことというのは単純に好きな人がいるかどうかってことだ」
「わ、私の、好きな人?」
質問すると考え始めた。
考えて俯いたと思うと、なんだか爆発した。恥ずかしさのあまり照れて頭から煙出てるよ。
「す、好きな人、い、います!」
「え、いるの?誰?」
「まさか光氏なわけあるまい。たしかに光氏はラノベ主人公っぽいでござるがそこまで」
「え!?わ、私の好きな人なんでわかったんですか!?」
……まじすか。
「そ、そうなの?でも光は好意向けてもらえないって言ってたけど」
「え、えっと、意識してもらうより普通に過ごせたほうがいいかなって……。私も意識したら多分心臓が耐えきれなくて、普通に過ごせるよう自然を装って……」
「あー……」
要するに宮古さんは照れ屋だ。
「でも頑張って好意を伝えてるんです!公園で一緒に遊んでる時にどさくさに紛れて『好き』って伝えてるんです!だけどいつも聞いてないかトンチンカンな答えが返ってきて……。例えば『俺もこの空気好きだよ』とか。本人は本心で言ってるように感じて!」
……なあ、ラノベ主人公が俺の仲間にいるんだが。
完全に光はラノベの主人公だよね?乙女ゲーの主人公とラノベの主人公が同じ世界にいるんですが!
「きょ、今日も一緒に回ろうって誘ったんです!だけど友達と一緒にバンドでるからって断られました……」
「……」
「隆!今すぐ光を連れてくるぞ!手段は問わねえ!」
「任せられたでござる!」
「がんばれがんばれー」
恭一郎が隆と一緒に光を捕らえに行った。
その様子を見ていた俺らは、溜息を吐き、宮古さんは慌てていた。
「まあ、あとはあいつらに任せて、西園寺さん。一緒にまわろうよ」
「うん。わかった。ほんと小波くんたちおもしろいね」
「だろ?」




