実行委員、始動
夏休みが明け初日の登校。
西園寺さんはおじいさんの葬式等の関係のため学校には行けないらしい。
「お前ら、二学期にはなにがある!」
担任である京屋先生(女)が黒板をバンと叩く。
二学期にはもちろんあれだ。
「修学旅行だろ」
「いや、それもあるが、他になにがある!」
修学旅行じゃねえの?
二年生のメインは修学旅行。たしか行き先は広島だったっけ。平和祈念公園とかそこいくはず。
海外にはいかないという。フランス行きたかったぜ……。パリの塔を見たかったでござる。
「あ、学校祭?」
「そう!学校祭!あと二週間後にある!」
「はええよ!学校明けたばっかだぞ!」
「そこでだ!」
「ダメだこの先生!話聞かねえ!」
「役員を決めたいと思う!立候補する猛者はいねえかああああ!」
役員…。実行委員か。
まあ俺はやらない。こういうのはひっそりと過ごしたいのだ。陰ながら楽しめればそれでよーし。
で、手は上がったかというと上がらない。
男女二人選出するまで終わらなさそうだ。
「ふむ、いないか。じゃあ、推薦でもいいぞ!」
「あ、なら一人押し付け…もとい、適任の人がいると思います」
男子の一人が手をあげる。
というか、いま押し付けれるとか言おうとしてなかった?
「ふむ、だれだ?」
「小鳥遊くんです」
……あ、押し付けられた。
「ああ、いいな!小鳥遊かっこいいし顔にはなるだろ!女子はだれにする?」
「小鳥遊くんやるなら私やる!」
「タマもやるにゃ!」
女子はなんだかすごい人気だ。
なんだろうこの人気は。そんなにやりたいの?俺と一緒がいいの?
「みんなやる気あってよろしい!今手をあげたやつは全員評価点に加えよう!」
「ちょ、先生そりゃないっしょ!」
「やる気、自ら率先してやることが大切だ!ここで取れなかったやつは体育のとき頑張れ!」
おおう。なんという優しい先生だ。
実行委員やってるとモテるし、評価があがる。一石二鳥ってやつか。
まあ、俺彼女がいるし惚れることはないと思うが。
「よし、じゃあ先生とジャンケンだ!さーいしょーは、グー!じゃーんけーん、ぽん!」
「やった!勝ちましたわ!」
「ふふふ……勝ったわ」
「…………」
三人が先生に勝ったらしい。
えーと、名前……あれ?覚えてないぞ。誰だっけ。
右からお嬢様みたくドリルの人、ワカメみたいな髪をしてる人、常に真顔のメガネっ娘。
この三人か……。メガネっ娘以外普通じゃなさそう。
「じゃあジャンケンですわ。じゃーんけーんぽん」
「ま、負けた……」
「ま、負けましたわ〜!」
ドリルとワカメが負けた。
「じゃあ女子の実行委員は長瀬で決定だ!」
長瀬っていうのか。覚えとこ。
「…………」
「…………」
実行委員は初日から集まりがあるらしく、俺と長瀬さんはそこに向かっていた。
長瀬さんと一緒に行ってるものの、なんの会話もない。「よろしく」と挨拶をしてもなんの返答もない。
「久太氏。嫌われてるのでござるか?」
「これはあれだな。なにかトラウマがあるとか」
「イケメン恐怖症とかっすか?」
で、後ろになんで非モテ集団がいるんだよ。
「なんでいるの?と聞かれたら」
「いや、聞いてねえし」
「答えてあげるが世の情け」
「久太氏の失恋を防ぐため」
「久太の恋愛を守るため」
「愛と真実の悪を貫く」
「ラブリーチャーミーな敵役」
「タカシ!」
「キョウイチロウ!」
「ヒカル!」
「学校を駆ける非モテ集団の三人には」
「ブラックホール。黒い明日しか待ってねえ」
「うぅ…」
お前らはどこの何ット団だよ。
10万ボルトでぶっ飛ばしてやりたい。
「何の用だよお前ら…。俺これから委員会なんだけど」
「知ってるでござる。ただ少し疑問があるのでござる」
「なんだ?」
「西園寺氏は何処へ?」
「ああ、葬式にでてんだよ。最近におじいさんが亡くなったからな」
「な、なんと!」
って、お前らと話してる時間ねえんだって。
……あれ?
「そういや、長瀬さんは?」
「先行ってる姿が見えたっす」
「お前らが引き止めたから俺遅れてるじゃねえか!」
時間を見てみると四時半。
もう、委員会が始まる時間になった。引き止めなければ間に合ってたよコンチクショウ!
ああ、謝らないと。
「……どうやら、拙者ら。怒られてるでござるな」
「そうみたいだ」
「じゃあここはお約束で」
「「「やな感じ〜!!」」」
「うるっせえ!」
あいつら何しに来てんだよ!
俺はとりあえず走る。ついたときには全員集合していた。
ポケモンみてたらなんだか思いついちまったぜ……。セレナ可愛い




