クリスマスがやってきた⑤
カラオケ大会が終わり、時間も刻々と過ぎ去っていく。
「じゃあ、お待たせいたしましたーーー! プレゼント交換会を、はっじめまーす!」
吉祥の司会が始まる。
吉祥はマイクを片手に説明をし始めた。
「今、私の持ってる箱にくじがあります! そのくじをひいて、そのくじに書かれた番号のやつ持ってく! 何が何なのか、買った人は誰なのかはお楽しみ! じゃ、順番決めるためにじゃんけんしてね。悠斗は私の代わりよろしく!」
「はいはい」
俺は吉祥の前に行く。
村上もため息をつきながら前に来て、他の奴も前に来ていた。
「じゃ、私とじゃんけんねー。さーいしょーはぐー」
俺はパーを出した。
なんと、一人負けしてしまった。ああ、そうかよ。俺の一人負けですか。そうですか。
順番は村上、梵、結城、禊、隆、恭一郎、吉祥、光、そして俺の順だ。
順々とくじを引いていき、俺もくじを引く。出た番号は六番だった。
六番。それは一番デカい奴だった。俺の身長より少し低いくらいの大きなもの。誰が買ったんだこれは。なんだこれは。
「プレゼントみんな取りましたねー? じゃ、かーいふー!」
気になるから俺も開けてみた。
中から出てきたのはものすごくデカいクマのぬいぐるみ。テディベアか?
いや、それはいいんだ。ともかくデカい。誰のだよこれ。
「沙耶ー。なに当たった?」
「加湿器、ですね。誰のでしょう」
「あ、それ俺のだ」
俺のプレゼントは村上にわたっていたらしい。
「女子でも使えそうなやつ考えてたらそれにたどり着いたんだ。冬とか乾くだろ? 実用性はあるから使うといいぞ」
「ありがとうございます。素直に嬉しいです。今使ってる加湿器不調を訴えていましたので」
なるほど。ならよかった。
……で、俺のプレゼントはだれの?
「空さんは梵の当たったのね」
「う、うん。そうなんだけど……眼帯?」
「汝の眼は少々邪気を帯びすぎている。それで力を隠すがよい」
空に眼帯はあまりいらなくないか?
「梵さんたちはなにがあったの?」
「妾はリングだ。映像が映し出される近未来のな」
「それ拙者の! アニメのDVDでござる」
「私は入浴剤だね。えっと、バスソルト、バスオイル、バスバブルにバスミルク……。なにこれ」
「ああ、それは私のだよ。海外から取り寄せたんだ」
「まさかの高級品!」
あれ? この前俺と一緒に買い物に……。
「あの時決まらなくて、私の使ってるのと同じやつ上げようかなって」
なるほど。確かに何も持ってなかったような気がしたな。
「薔薇の香りだからいい匂いするよ。いろんな香りがあるけどシンプルな薔薇にしたんだ。私もよく使ってるんだよ」
「セレブな空さんが使うから……ものすごく高級だったりする?」
「んー、そんなでもないよ? 一個一万円くらいかな」
「高いよ! 庶民からしたら高いって」
金銭感覚はおかしいのかよ。
たしかに一介の大学生とかには一万円は大金だ。空は結構な金額を手に持ってるためにわからないのだと思うが、たしかに一万円…しかも入浴剤でとは考えられないのだ。
「だ、大事に使わせて頂きます」
「わかった」
禊が若干引いてる。




