クリスマスがやってきた①
クリスマス。イエス・キリストがこの世に生誕した日でもある。
本来キリスト教がやるものなのだが、仏教文化が広がっている日本でも祝う。どこかおかしな話だが日本人は宗教という観念は緩かったりするのかもな。
俺は一人、空が用意した会場に来ていた。
空が用意した会場はホテルの一室。大広間だった。和室であり、下には畳が敷かれている。とても豪華なものだった。
俺はその部屋に荷物を置く。どうやら俺が一番らしい。
「さてと。空は少し遅れてくるっつってたし、クリスマス会の準備をしますか」
空に頼まれたのだが、このリールとかを飾り付けるらしい。この一室は空が貸し切って、ついでに厨房も少し貸し切りということに。
空のグループだからできることだ。
ツリーもあるし、クリスマスを祝ってくださいと言わんばかりだ。
「小鳥遊様。我々もお手伝いいたしますよ」
「あ、ありがとうございます。ではこのリースをですね」
このホテルで働いている従業員のかたにも手伝ってもらったので早く終わった。
飾りつけも一区切り終わり、俺は今度厨房にいって空が確認してきてほしいことを確認する。
オーブンは使えるようにしてあるかとか、包丁等備品は揃っていて切り味が落ちてないかとか確認をしろと言われていたので俺は料理長さんと確認していた。
「食材もそろってるし、器具もばっちりだぜ。包丁は昨日研いでおいたからな」
「ありがとうございます! これで厨房の確認は終わりかな……」
「なあ久太。クリスマス会の料理本当に俺らが作らなくていいのか? いっちゃなんだが俺らは料理には自信があるぞ。素人のお前さんがたよりな」
「食べたいんですけど、自分たちで作るって言ってるんですよ」
「そうかい。ならレシピだけは書いておくか? 作業工程も書いたやつ」
「ああ、それぐらいならお願いします」
「任せとけ! さて、じゃ、今から作業に取り掛かるでな!」
と腕まくりしてやる気満々に去っていった。
これも空の力というべきか、空の会社の人は協力的で助かっている。恩を売りたいというのもあるがそれでも俺は助かっているからありがたい。
と、俺は厨房から出て、大広間に向かってみるとなにか靴があった。
……誰のだろう。
あの形、空のでもないし、他の奴らが履いているようなやつじゃない。誰だ? あの靴は。
俺は確認のために開けてみると……
そこには知らない人がいた。
知らない人は優雅にたたずんでいる。それはまるで、どこかの御曹司のように。
ただ、かっこいいかといわれるとそこまででもない。
「……あっ、すいません。ここに吉祥 美央さんが来ると聞いてきたのですが」
「失礼ですが、あなたは?」
「ああ、私はですね……」
その時思いっきり扉が開かれた。
「この日が、きたーーーーーーー!」
「静かにね。廊下まで響くから」
と、吉祥と村上がきた。
吉祥はすぐ俺に気が付き、手を振ろうとしたとき、固まった。
「……な、なんでいるの?」
「なあ、知ってるのか? この人」
吉祥は妙に狼狽えていた。
俺は村上に近寄り何か知らないかと聞くと、答えが返ってくる。
「ああ、この子はですね、美央ちゃんの弟さんです」
ああ、なるほど。似てるな。




