プレゼントを買いに行こう!
空がクリスマスプレゼントを選びたいと言ったので俺も一緒についてきた。
俺はもうすでに購入済みなので俺はただ見てるだけだが。空が悩んでいるところを写真に一枚。
「…………」
空が無言でこちらを睨みつけてきた。
なに撮ってるのと言いたげな視線で。いいじゃないか一枚くらい。日々の思い出を残すためにこれ買ったんだからさ。
「さてと。空が選んでるまで俺は暇だな……」
プレゼントを知ってしまったら意味がないから俺は何選んだかは聞かない。
だから極力空のほうを見ないようにしていた。視線を空からそらしてみると目に入ったのは梵と禊だった。どうやらプレゼントを二人とも買いに来た様子。なんとなくカメラで撮ってみた。
ふむ。二人は別れて探すのか。そらそうだろうな。何買ったかはお楽しみだ。
っと、禊がこっちに来る。
「あら、小鳥遊君じゃない。一人?」
「いや、空と来てる」
「そう。プレゼント選びよね」
「そうだよ。俺はもう買ってるから空だけだ」
「早いわね」
「思い立ったが吉日だしな」
というかすぐに行動しないと忘れるんです。
「って、その片手にあるもの買ったの? それとも持ってたのを持ってきた?」
「これ買ったんだよ。写真を趣味にしようかとね」
「そうなの? なんかとったりした?」
「ああ」
俺は撮った写真を見せてみた。
「これさっきの私たちじゃない! 盗撮した!」
「はっはっはっ。嫌ならすぐ消すよ」
「……いや、私にその写真頂戴」
「あいさ」
何気に梵のこと好きなんだな。
「それにしても……カメラを趣味かー。ちょっと意外ね」
「そうか?」
「そうよ。イケメンは筋トレとかそういうのが趣味なのかと……」
「俺はひょろいし無理だな」
なにせあまり力がない。
「というか、イケメンだからってすべてがすべて筋トレしてないだろ。読書だとかいろんな趣味があるだろ」
「それもそうなんだけど……。固定観念として印象付けられてるのよ」
まあたしかにテレビではよくある。ジャニーズとか特にそうだ。筋トレして体力を作っている様子とかいろいろ写される。
俺はそういう体動かすのは無理。アウトドアじゃなくてインドア派。体育会系というより文化系なのだ俺って。
知的なイケメン……になりたい。
「俺はジャニーズでもなんでもないからな。普通に筋トレはしない。二の腕なんか超細い」
「脂肪も筋肉もないわね。私なんか二の腕ぷるんぷるんしてるのに。最近太って……ねえ」
「運動とかしてるのか?」
「毎日ランニングはしてるわ。たまにさぼるけど……」
「……週何回くらいさぼってる?」
「…………6回くらい」
「ほぼ毎日じゃねえか」
七日間のうち六回さぼってんのか。だったら普通に痩せないぞ……。
継続は力なり。継続していったら痩せるはずなんだ。
「意志がゆるゆるなの。よくあるじゃない。勉強しようとして机に向かったはいいものの漫画に手が伸びて勉強できなかったりとか」
「あるけども」
あれはたしかにある。まだ時間あると言って次の巻次の巻と手を伸ばして勉強できずに終わるのはある。俺も何度も経験した。
「あれが発動するの。ほんと害悪よ」
「そうだな」
俺は苦笑いを浮かべて、空が呼んでいることに気づいたので禊と別れて空のところに向かった。




