表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
261/291

空を家に泊めよう

 家に走って戻ると俺の家の前で空が待機していた。

 寒い中外で待っていたのか……。


 「待たせたか」

 「ううん。待ってないよ」

 「ならいいんだが……。寒くなかったか?」

 「だいじょ……くしゅんっ」


 どうやら寒いみたいだ。

 俺は玄関の鍵を開けて中に入る。


 「ちょっと散らかってるかもしれないがごめんな」

 「ううん。無理言ってるんだし大丈夫……。っと、久太くん。あったかいものもらっていい……? さ、寒くなってきた……」

 「今ホットミルク作るから待ってて」


 寒い中待ってたらそら凍えるわ。

 俺はコップに牛乳を入れて電子レンジで2分くらいチンする。

 そして冷蔵庫からはちみつをとりだし、チンし終わった牛乳の中に垂らした。


 「はい、はちみつ入りホットミルク」

 「ありがと……」


 空はホットミルクを一気に飲んでいた。

 俺も一口飲みながら暖房を操作し、少し温度を上げる。そして、少し暖かくなってきた。


 「大丈夫か?」

 「う、うん。やっと温まってきた」


 そらそうだ。上着を着てなかったし寒くなるのは当たり前だろう。

 あと俺がすることは……。ああ、空が寝るところの確保だが。


 「空は俺のベッドで寝るか? 来客用の布団がないんだよ」


 前に爺ちゃんたち来てたけどあれは寝袋持参とかだし。爺ちゃんは俺のベッドに寝たからな。


 「ええ、それはいくらなんでも悪いよ! ないなら私はソファで寝るから……」

 「いや、気にすんな。俺のベッドが嫌なら瑞穂ので寝てもいいし」

 「いや、私は……」

 「俺はソファで寝たい。だから寝ないベッドを使ってくれ」

 「……うん。わかった」


 強情な空をベッドに寝かせるにはこういう嘘も必要だろう。

 俺の気遣いではなくお願いなら聞いてくれると思った。聞いてくれる保証はなかったけど、聞いてくれたみたいで少し安心した。


 「でも、いいの? 久太くん。私にベッド使わせて……」

 「いいんだよ。俺ソファでたまに寝てるし、空はソファで寝たことないだろ? きっと体痛めるぞ」


 俺も昔あった。

 ソファで寝て、体に鈍い痛みがあった。今では慣れてその痛みともお友達になってるけどさ。


 「そ、そう……。なら、ありがたく……」

 「ああ、受け取っておけ」


 さて、あと俺がやることは……と。母さんたちに説明かな。






 俺は母さんに空を泊めてやってくれというと快く受け入れてくれた。というか、喜びすぎだった。

 瑞穂も瑞穂で嬉しそうだったし、今空と一緒に我が家の小さい風呂にはいっている。あいつもまだまだ子供だからな。お泊り会とかテンションが上がるタイプだ。


 「それにしても、久太あ」

 「なんだよ」

 「空ちゃんがいるとずいぶんと彼氏ヅラするんだねえ」

 「う、うるさいな」

 「交際はどお? 問題はおきてない?」

 「起きてない。というか、ニヤニヤしながら聞くな」


 母さんは俺をニヤニヤと見ながら聞いてくる。

 う、うぜえと何度思ったことか。


 「毛布は自分で持ってきなさいよ。朝寒いんだから」

 「わかってるよ」

 「あと、空ちゃんとするときはあまり大きな声出さないでね? 避妊もちゃんとするのよ?」

 「……なんのこと?」

 「わかってるじゃない。セ……」

 「やっぱりそうかよ! しねえよ!」


 まだ恥ずかしくてできないわ!









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イラストレーターとユートゥーバー 新しいラブコメ小説を投稿してみました。是非とも読んでみてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ