空の家の災難
心の中で晴馬君に合掌して俺はプレゼントを選ぶことにした。
うーむ、いまいちこれだと思えるものがないな……。相手がもらって嬉しいものと考えると結構狭くなる。俺の好きなものといってもありすぎて困る。
うーむ。なにがいいんだろうか。
「……家電」
と、不思議とそういう考えにたどり着いていた。
家電ならみんなが使うだろう。その代り値段は張るけれど。でも、みんなが使うなら……。バイト代もあるし、家電にしようかな。
俺もちょっとほしいものあったし、それと一緒に買うとしよう。
まずは金を下ろしてくるか。
ざっと15万くらいあれば大丈夫かな。
と、15万をおろしてきた。クリスマスプレゼントを買うための費用だけど、多すぎただろうか。財布が厚みを増している。
これは落としたらダメだ。何回か俺は財布を落としてるし、ずっと財布を手に持っておかなければ落としそうだ。あ、バッグに入れておけば……。いや、もしかしたら気づかないうちにすられるかもしれない。やめておこう。
俺はぽっけの財布を握り締めながら移動した。
ついたのはピッグカメラ。ここには家電がたくさん売ってある。
まず俺が向かったのは……。
プレゼントを買い終え、自分の買いたいものを買った。
俺が買いたかったものはカメラだ。それも奮発して一眼レフ。ものすごく高かった。10万近くしたのだ。たぶんこれでも安いほうなのだろう。70万するやつもあると聞いているし、16万くらいするのもあった。それはさすがにやめておいたが。
まあ、これで写真を撮っていこうかな。
「カメラマン小鳥遊ってか」
俺は試しに撮ってみた。
札幌駅はやっぱでかいなあ……。
と、その時だった。
『ニュースです。今日、西園寺グループの屋敷が何者かによって火を放たれ、火災が起きました。幸い、住んでいた西園寺グループ会長の君清さんと妻の雲さん、娘である空さんは無事なようです。屋敷は半焼程度で抑えられました』
……はい?
今ニュースでなんていった? 空の家が燃えた? そんなばか……。あ、いや、あれはたしかに空の家だ。
となると、空はどうしてるんだ? 家が燃えたんだったら行くところは……。ずっとホテルにいるのだろうか。
俺は、空に電話をかけてみる。
『もしもし』
「空。家が火事になったってニュースで見たんだが本当か?」
『うん。私の会社に恨みがある人に放火されたみたい。預金通帳とか大事なものはもってこれたけど家を直すのに時間かかるんだ』
「その間住むとこどうするんだ?」
『父さんはずっと会社に泊まるって言ってるし、母さんは実家に戻って暮らすらしいから……。あのー、久太くん。お願いなんだけど……』
「しばらく泊めてくれ……ってか?」
『うん。お願いできるかな。よくて3か月くらい泊めてほしいんだ』
「わかった。とりあえず俺の家まで来てくれ」
『了解』
俺らは通話を終了し、俺は急いで家に戻った。




