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高校の文化祭に来た④

前半部分は劇の一部になります。

 私が通う高校では、文武両道、才色兼備といった言葉が似あう女性と男性がいました。

 その二人の名前は西園寺さいえんじ くう高梨たかなし 久太くうたといいました。その二人はなんでも完璧にこなし、そしてその二人は仲睦まじいカップルとして有名だったのです。


 そんな二人を嫉妬する男がいました。


 「なんだい。イケメンはどうせ俺らを見下してるんだ。西園寺さんが可哀想だよ」


 イケメンに対し負け惜しみを言っていると、また今度は違うところから声が聞こえてきます。


 「ちょっぴりかわいいからってなによ。性格はブスのくせに!」


 と、こちらでも負け惜しみを言っている女性がいました。男性はその女子に近寄っていきます。


 「君も、あのカップルに恨みを抱えているのかい?」

 「あなたもなんですか?」


 お互いが目を合わせます。

 同志を見つけたといわんばかりに嬉しいという感情が伝わってきました。そして、二人は付き合い始めました。

 すべてはあのカップルに仕返しをするために。自分たちのほうが仲睦まじいんだと見せつけようとしたのです。


 だけれど、美男美女のカップルには敵いませんでした。


 なので、今度は優しさを売りにしようと地域のボランティアに参加しますが、そこにも西園寺 空と高梨 久太が笑顔でお年寄りに挨拶をし、ごみを拾います。

 優しさでも負けたカップルは、もう、気力を亡くしました。


 そして、全力で叫びます。


 「「俺らは何がダメなんじゃこのやろーーーー!!」




 ☆ ☆ ☆



 劇を見ていて思ったことがある。


 「西園寺さいえんじ くうって絶対私だよね……」

 「高梨たかなし 久太くうたも絶対俺だよな」


 勝手に劇に出されてるんですけど!?

 名前とかかわってるけど申し訳ない程度にしか変わってねえ! 無断で使うなよ俺らの名前! というか、それならまだしも文武両道とか才色兼備だとか褒められすぎ!? 俺は何もできないからな!?


 「これで人気なのが恨むにも恨めないよ……」

 「あとで瑞穂にガツンと言ってやろ」


 名前は変わってるとは言え二年生以上の生徒は俺らだと気付いているはずだ。だって俺らは有名になっていたしな。

 

 「でも負け惜しみは結構表現できてるよね」

 「それはいいんだよな」

 「あと、私の配役が瑞穂ちゃんで少しほっとした」

 

 空を演じているのは瑞穂だ。それはまだいいだろう。瑞穂は空を知ってるし、まだ過大に演じられるよりはましだと思う。瑞穂なら節度は弁えているはずだから。

 問題は俺の配役だ。


 なんか俺が超人過ぎて笑えない。

 なんだか50kgのものを軽く持ち上げられるという設定になってるしモデルをやっている設定になっている。

 俺は50kgなんて持てないし、モデルもやっていたりはしない。


 誰だよ俺に力持ち設定加えたの。俺非力だぞ。そこらへんはちゃんとやれ!


 「でもまあ、全体的にみると悪くないかもね」

 「俺らが無断に出ているということを除けばな」

 「そうだね。そこはちょっとガツンと言おう」







 「すいませんでした!!」


 二年生全員の土下座が教室内に響く。

 劇の上演が終わった後に問い詰めたら自白した。


 「もう……勝手に人の名前パクらないでね? わかる人にはわかるんだからさ……」

 「はい! しません!」


 どうだか。


 「もう今回はいいけど来年からはしないでね」

 「肝に銘じます!」


 絶対忘れてもう一回やるよ絶対。








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イラストレーターとユートゥーバー 新しいラブコメ小説を投稿してみました。是非とも読んでみてください。
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