表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
243/291

小鳥遊家の日常

 あれから数日後、バラエティー番組であの密着取材された佳のVTRが放送された。


 『これから事前に伝えておいて! わかった?』

 『わかり、ました』


 と、説教されているところも写されていた。そして、あの食事のところも放映されている。


 『いやー、空ちゃん……だっけ。付き合ってる彼氏さんとはものすごい仲良さそうだね。佳ちゃんも彼氏さんと仲いいんでしょ?』

 『はい。結構仲良くさせてもらってます』

 『あの彼氏さんはすごいね。もう彼女の家の人と交流があるとは。もう夫婦みたいな感じでしたね。あれでまだ結婚してないとは……』


 ふ、夫婦!?

 俺と空が夫婦に見えてるって言うのか。ちょっとうれしい。


 『高校二年生の時から付き合ってるのでもうそれはそれは仲がいいんですよ』

 『うらやましいねえ。ああいう彼女がいると嬉しいですよね。……佳ちゃん。私と交際してもいいんですよ?』

 『お気持ちは嬉しいんですけど遠慮しておきますぅ』

 『そんなっ!』


 たしかにうれしい。空を彼女に迎えられてうれしいけどさ。


 『佳ちゃんは彼氏作らないの? 事務所の方針で出来ないってことはないはずだよね?』

 『うーん。私が作らないのはあの二人を見てるともう十分かななんて思ってしまうんですよねー。あの人たちは私の恋愛感情を奪ってくんですよ』

 『たしかにアツアツで俺は逆に付き合いたい! というわけで佳ちゃんお願いしま『ごめんなさい』最後まで言わせてくれ!』


 ひどい言い草だな。俺らが佳の恋愛感情を奪ってってるって……。俺らは悪くねえ! 多分。自信ないけどさ。

 まあいいや。さてと。ゆっくり……。


 そう思った矢先、チャンネルを変えられた。


 「ああ、見てたのに」

 「あ、そうなの? ごめん。なんかぼーっとしてるようだったから変えていいのかなって思ってさ」


 瑞穂が風呂上りのようで湯気をのぼらせながらソファに座った。

 片手には牛乳をもって。


 「兄さん風呂入ってきたら?」

 「あ、ああ」


 俺は風呂に入ることにした。






 ☆ ☆ ☆




 兄さんが出ていったあと、私は再度チャンネルを戻した。

 兄さんが映っている映像はきちんと見ないといけない。それが妹の使命だ。


 「兄さん空さんの家でパスタ食べたんだ。美味そう」


 牛乳を飲みながら私は映像をまじまじと見る。

 

 兄さんってかっこいいなあ。昔はイケメンじゃなかったのにイメチェンしたらかっこよくなったんだもんねえ。まあ、イメチェンする前の兄さんも好きだったけどさ。


 『あれ、今ツイッターでなんか家に女性と一緒にいる写真が載ってますよ』

 『早速不倫疑惑ですか!?』


 と、一枚の画像が流された。

 ああ、これ私じゃん。というか、これって冬休みの時のやつじゃん。


 『あ、これ冬休みくらいの時ですね。この女性は大丈夫ですよ』

 『なんでですか?』

 『この女性は彼氏の妹ですし』

 『妹さん? 似ても似つかないですね。というか、イケメンの彼氏の妹も可愛いものですねえ』


 そうだ。私は可愛いでしょ?

 ……というか、なんで今更その写真が。それを撮ったのは佳さん自身だったはず。たしかツイッターにものせるーとかそんなこと言っていたような。


 まあ、細かいことはいいか。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イラストレーターとユートゥーバー 新しいラブコメ小説を投稿してみました。是非とも読んでみてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ