海へ行こう!③
俺はとりあえずビーチで一人休んでいた。
荷物番。誰もいないと盗まれる可能性もなくはない。だからこうして見張っているというわけなんだ。俺はそこまで体を積極的に動かすタイプでもないし、この役を引き受けた。
俺は眺めているほうが楽しいしな。
目の前の海では空たちがはしゃいでいる。
そして、カップルを見つけると撮影する久我山さん。それ盗撮ですよ。
で、ナンパしている結城。結城に関しては止めても無駄だと思うので放置だ。勘違いバカはだれにも止められない。
「かき氷食べます?」
「あ、もらおうかな」
まあ、案の定村上さんも体を動かすタイプではなかったのか俺と一緒に見張っている。
「……空さんと小鳥遊さんって高校二年生の時から交際しているんでしたっけ」
「そうだよ。空から告白してきたんだ」
「結構長続きしてるんですね。結構ラブラブ的な感じじゃないですか」
「まあ、な」
「失礼だと思うんですけど、ラブラブな人ほど別れやすいっていいますよね」
「あー、あるな。そういうやつ」
ラインで彼氏に『大好きだよ〇〇くん』とハートマークをつけておくって会話している彼氏彼女はあまり長く続かない。
逆に『次どこ行く』『どこでもいい』ってほうが逆に長続きするらしいな。
「いつも不思議に思うんです。なんで長続きしているんですか」
「長続きしているか、ねえ」
俺にもよくわからない。好き、という気持ちには変わりはないし、これからも変わらないと思う。
「俺にもよくわからない。ただ、好きという感情は今もあるってことだけだしな」
「……わからない? それは大まじめに言っているんですか?」
「普通に大まじめだが」
もしかして、村上にはわかってるのだろうか。その理由が。本人でさえわからないのに。
「わかったのか?」
「なんとなくはわかりましたよ。ただ、自覚してないのが驚きかなーって思っただけです」
「自覚?」
「はい。貴方が好きという人に誠実だって自覚してないんですよ」
「誠実?」
「好きという気持ちは変わらないんですよね? 多分、貴方は振られるまでその気持ちを持っていると思います。好きという感情を未来永劫持っている人です。悪く言えばバカ真面目ということです」
「そう、なんだな」
俺ってそうなのか。よくわからないけど。
「まあ、私がハニートラップとかしても絶対に空さんを裏切らない人ですね。女性の感性からしたらものすごく安心することができますね」
「浮気する心配がないからか」
「そうです。だから、だれにも渡したくない。そういう気持ちを空さんも無意識に持っているんでしょう。だから、別れることはない。あなたは本当に異質なんだと思います」
俺が異質、か。
上手くその実感がない。俺が誠実だとか、だれにも渡されたくないとか思われてるとか。信じてくれていると受け取れるけど……。
「異質と言われたのは初めてかもな。というか、言われることはまずないけど」
「そうですね。この世界は実力主義といっても緩いですし。異世界ものの小説にある異能とか私たちには無縁ですしね」
「そういうの、現実にあったらおもしろそうなんだけどなあ」
「そうですよね。私も魔法というものを使ってみたいと思ってます」
魔法か! たしかに憧れるよな!
「魔法とか、異能とかそれってすげー憧れる。それに、チート能力があるからな。チートがあったら人生楽なんだろうな」
「それ、他の男子が効いたらきっと『お前が言うな』なんていうんでしょうね。今のご時世は大体見た目ですし。小鳥遊さんは見た目はチートですしね」
「それ、かっこいいって受け取っていいのか?」
「かっこいいといったつもりです」
そ、そうか。
褒められると嬉しいな、やっぱ。
泣き言を一つ。
一日二話更新してるとさすがにネタ切れが早いです。つらいです。だけどやめない。自分って案外マゾっ気あるのかも……。
自分の体に鞭を打つ! あ、鼻血が……。




