遊園地に遊びにきました②
空が戻ってきて、なぜか遊園地は那智ちゃんとも一緒に回ることになった。
空は残念そうにしていたが、那智ちゃんは俺と離れようとしなかったし会長の頼みでもある。
「久太。私こんどあれいきたい」
と指さしたのはお化け屋敷。
『絶叫!恐怖の森』と書かれたおぞましい雰囲気を漂わせる看板がおいてある。雰囲気は外からでも禍々しく感じられた。
な、なんか出そうだな。
「あれ、いくのか?」
「だ、だめ?」
そんな可愛い目で見るな!
「……わかったよ」
仕方なく承知してあげた。
「本当に久太くんは優しいんだね」
「断れないんだよ……。あんな風に見られると」
優しいと違う。断れないだけだ。
そのお化け屋敷に入る。
中は暗く、後ろを歩いている空の姿も見えない。
道がわからないので壁に手をつけて前に進む。おどろおどろしいBGMもこのお化け屋敷の雰囲気を高め、恐怖心を煽いでいる。
「ひゃあっ!?」
「わっ」
うなじに冷たい風が吹いた。
「きゅ、久太くん。ふ、服掴ませて。本当に怖くなってきた……」
「か、構わないぞ」
すると引っ張られる感触が二つ。
多分那智ちゃんも服を掴んでいるのだろう。二人分の重さを感じながら前の進んでいった。
「きゃっ!?」
「おわっ」
隣に骸骨があらわれた。
突然の骸骨に俺らは叫び声をあげる。
こ、この骸骨リアルだなあ。細部までよく表現されているというか。そのリアルさが怖い。幽霊は大丈夫なんだけどお化け屋敷とか急に脅かしてくるから嫌なんだよね。
俺らは驚きながら先に進んでいく。
すると、大きな部屋についた。
今来た道のドアが勝手に締まる。
「な、なんだここは」
「ね、ねえ。あそこにモニターがあるよ」
空がモニターを指さす。
そういや、気づいたのだがここは少し明るいんだな。
「あ、モニターに何か表示されてる……。脱出ゲーム、だってさ」
「脱出ゲーム? ああ、抜け出せってやつか……」
俺は来た道のドアを開けようとしてみるも鍵がかかって開かない。
非常口の奴が見えるから降参する人はそこから出てということか。降参しないなら謎を解けと。面白い。こっちには頭のいい空がいる。大丈夫だ。たぶん。
見事脱出した俺らは外に出た。すると、ベンチに那智ちゃんの姿が見えた。
……あれ? 一緒にいなかったの?
「那智ちゃんなんで外にいるの?」
「え? なんのこと?」
「いや、さっきまで俺らと一緒にいたはずでしょ?」
「私お化け嫌いだからお化け屋敷に入ってないよ?」
あれれ?
「じゃあ、空。俺の服両手でつかんでた?」
「私は右手だけしか掴んでないけど……」
……じゃあ、俺の服を引っ張ってた二人目は誰だったんだ――?




