性格の悪い社長②
先ほど性格悪いと言ったからか君清さんはひどく落ち込んでいた。
まあ、あれは俺から見ても性格悪いと思ったよ。パワハラは許せないにしてもさ、普通に行けばいいのに背後から現れて皮肉をいってって……。普通に言えばいいのになとは思った。
「……次行くぞ」
来た時よりあきらかに意気消沈としているよ……。
次きたのはゲーム開発課。
ゲームの開発を主にしている。ゲーム機ではなくソフトのほうな。ゲーム機も開発はしているらしいが。
「……地獄絵図ですね」
プログラマーさんたちが机に突っ伏していた。それも、大体全員が。
ゲーム作るアニメで見たけどやっぱゲーム作るのは大変なんだなあと思いました(小並感)
「お疲れ様です。皆さん」
「お疲れ様です……いや、ほんとまじで」
この地獄絵図はやっぱ辛そうだ。
マスターなんちゃらとか俺にはよくわからないけど、とりあえず地獄ということは伝わった。うん、俺は絶対プログラマーにはならねえ。そう強く心に誓った……。
俺は魔戒(プログラマー班のブース)を早々に立ち去る。このままいると俺の心も浸食されて生きそうな勢いだった。鬱になるよあれ。
今度はデザイナー班に向かう。キャラデザとか作っているところらしい。
「社長。おはようございます」
「浦和さん。調子はどうですか」
「私たちキャラはとても楽ですよ。プログラマー班と比べればもう、それはそれは」
「確かにみんなもう生きてるのか死んでるのかわからなかったね……」
いや、あそこは死体だらけだったよ。みんな死んでました。
「モーションとかも比較的忙しいらしいので気楽なのはキャラ班だけですね」
「そうか。プログラマー班はどうしてもつらくなってしまうか……。人員増やすとしてもプログラムについて知っている人では何ときついからな。ある程度限られてしまうわけか……。プログラマー班の給料を少し多くするとしようか」
「ええ!? プログラマー班だけですか!?」
「冗談だ。まあ、今開発しているゲームの売れ行き次第で給料は上がるかもしれないな」
「どうか成功しますようにどうか成功しますようにどうか成功しますように……」
神頼みか! まあたしかにお客さんは手に取るかは運に近いものがあるし、レビューとかで悪評されたらと思うと気が気でもなくなりそうだが。
でもまあ、欲があるというのはいいことなのかな?
会社に入ると給料を上げたいという欲が生まれる。まあ、俺の欲はすべて空で賄われているけど。独占欲のほうが強いのか、一緒にいたいという気持ちが強いのか。
俺も、もっと強欲になろうかなあ……。




