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五月病

たぶん、短いかもしれません。

 五月に入った今日、梵さんがどんよりとしていた。


 「……梵さん?」

 「……なんですか?」


 なんですかってなんですか?

 いつもの梵さんならば『妾に何か用か?』と来るはずだ。なのになんですかってまともに受け答えしているのはおかしい。


 「ふ、雰囲気暗くないですか?」

 「そ、そう……? 私そんな暗いかな……」


 わ、私だと!?

 やばいぞ! 一大事だ! 梵さんの中二病がどこかにいってしまった! なにをしているのだこの子は! いつもなら『妾が暗い? はん。ありえん』といいそうな梵さんが私という一人称を使ってまともに答えた!


 何かの前触れか!? 神々の戦争ラグナロクが起こるのか!? それとも聖戦ジハード!? 天変地異カタストロフが起こる予兆なのか!?


 「いつもの梵さんらしくないぞ! しゃんとしろ!」

 「いつも……? いつも私はこんなふうに暗い……」

 「違うよ!? いつもなら『妾の美貌にひれ伏すがよい』とかそういうことを言う子だよ君は!」

 「妾……? 美貌……? よくそんな恥ずかしいこと言えるね……」

 「自分を貶してるよこの子!」


 どうしたんだ本当に!





 答えを禊さんに聞いた。


 「ああ、五月病よ、それ」

 「五月病って、あの?」

 「そう。あの」


 五月病であんなになるのか?


 「梵は昔から五月の初めは暗くなるの。大体五日間くらいかな。どんよりとして、中二病だということを忘れて、じめじめするの。どっちにせよ厄介なことには変わらないけどね」


 たしかに。

 五月の最初の五日間が暗くなるのか。どういう体質なんだよ。二重人格なの?


 「おねえちゃーん……」

 「噂をすればなんとやら」

 「えっ……小鳥遊さん私のうわさを……。私のお姉ちゃんにあることないこと聞いて学校中に言いふらすつもりでですね……! 見損ないました!」

 「なんか誤解してる!?」

 「そして、なにより厄介なのが私よりもひどい勘違いということ。ほんと、厄介な妹でごめんなさい」


 厄介すぎるこの体質! なんで梵さんは五月病でも厄介になるのかなあ!?

 どっちもどっちだよ! 五月病じゃなくても厄介だし五月病でもやっかいだよ! 性格は違くなるといえどどっちも嫌だよこの人!


 「はっ!? もしかして私の悪口を学校中に広めようと……。広めてほしくなければ体で払えとそういうことなんですね……! この下衆! 悪魔! 童貞!」

 「勝手に誇大妄想の被害妄想を始めて罵倒されてるんだけど!?」


 俺なんも言ってないのにどんどん被害妄想が加速していくよ!


 「まさかお姉ちゃんにも被害を……! そうはさせません! 私の体で払えるのなら好きにしてもいいですけどお姉ちゃんには手を出さないで! さあ、胸でもどこでも触りなさいこの下衆!」

 「あああああ、ほんとにめんどくせえなああああああ!」













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イラストレーターとユートゥーバー 新しいラブコメ小説を投稿してみました。是非とも読んでみてください。
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