大学生活始まりました④
午後の講義を終え、キャンパス前に来た空と合流する。
これから家に帰る途中だ。俺は電車通学だから、地下鉄に乗って家にまで帰ることになり、空もついてくるといっていた。
「じゃ、帰ろっか」
「おう」
校門から出て、最寄りの駅に向かう。
「この地下鉄で通うってのも新鮮だな」
「そうだね。高校は歩いていける範囲だったしね」
そういって、カードをかざし、改札内にはいる。
ホーム内で、電車を待っていると、なんだか見慣れた人物がいた。
「あれって隆だよな」
「あ、ほんとだ。似てるね」
俺は隆らしき人を見ていると、こちらの視線に気づいたのかこちらをみてくる。すると、隆は手を振っていた。
おーいと言わんばかりだが、少々人が多くて見えにくい。
「奇遇でござるな。二人も今帰りでござるか」
「ああ。帰りだ」
「……それにしても二人とも変わらないでござるね」
「高校を卒業してまだあまりたってないだろ」
「それもそうでござるな」
一か月くらいしか経過していない。男子三日会わざれば刮目してみよとかよくいうが、一か月で変わることはあまりない。高校デビューとか大学デビューしない限りはな。
だから俺のイケメンも廃ることはない。……廃ってないよね?
「で、後ろにいるのは二人のお友達でござるか?」
「「後ろ?」」
振り返ると、梵さんと禊さんと久我山さんがいた。
「むふふ。気づかれちゃった」
「ククク。汝は妾の魔力を探知することができるのか。面白い」
「ごめんね。友達との再会に水差して」
三者三様の言葉が返ってくる。まともなのは禊さんしかいない件。
「……久太氏。大学では女子を侍させているのか? ハーレムを築くのでござるか?」
「ちげえよ。なんか、比率が偏ってるだけだ」
男女比0:4だけどな!
「それにしても、北海道大学ってレベル高いでござるな。西園寺氏とまではいかなくとも宮古氏レベルが三人とは」
「そうなんだよな。不思議だ」
三人が三人とも可愛い。いや、双子の姉である禊さんはクールで知的な雰囲気で梵さんのほうはダークで沈黙的な感じ。中身は残念だけどね。
「……久太くん。あまり他の女の子をじろじろみないでよ」
「ご、ごめん」
そうだよな。空も嫉妬はするよな。俺が不躾にみすぎた。そら妬くわな。
「ヒューヒュー! お熱いよお二人さんっ! さすが北大一アツアツのカップルと噂されてるだけある!」
「されてませんよね!? 今日あなたも知ったんですよね!?」
「妾は宿敵である汝も祝福してやろう」
「茶化すな! ごめんね、ほんと」
まともなのが本当に禊さんしかいない件について……。
作者は大学のことがいまいちわかっていません。調べてみてわかった気でいるのでどこか違っていたら感想で指摘していただけると幸いです。




