高校編:エピローグ
時は三月。俺らの卒業式だ。
三潟の罰は空の会社で働くことになった。当然三潟は「そんなの罰にはならない」と突っぱねたが、空がごり押しで押し切った。なんとも微妙な顔をしていたから、多分それが罰。納得できないことこそ罰だと思う。
そして、俺も試験が終わり、結果を待つだけとなった。あと一週間で結果の通知が届く。それまで、緊張する毎日となった。
「拙者たち卒業でござるか……」
感慨深く隆がそうつぶやいた。
「これで、非モテ集団もなくなる。そう考えると結構感慨深いな」
「そうっすねえ」
俺らも卒業し、それぞれの進路を歩む。
恭一郎はゲームの専門学校に、隆はイラストの専門学校に。光はカルビー……ではなかったものの地元の企業に就職が決まって、小寄も就職になった。
進路のことは俺はまだだ。結果が、まだ来ていない。
「私も久太くんと同じところ行くよ。結果が楽しみだね」
「結果来るまでものすごく不安だけどなあ」
落ちてたら浪人してまた、一年先に受けることになる。君清さんには大学には必ず入れと言われているから落ちたらまた……。それだけは想像したくない!
ああ、不安が……。心配でなんだか変な汗をかき始めた。
「結果来てないからまだわからないっすねえ」
「これで落ちたらもう一回遊べるドン」
「嫌だそれ!」
試験をもう一回遊べるドンは嫌だ! それだけは想像したくないぃ。勉強してもあまりできた自信がないし、ラスト一週間は死ぬほど勉強したしな。
もう、生きた心地がしない。たぶん死んでた。
「大丈夫だって。私と佳子も教えたんだから受かってるって」
「だといいんだけどなあ」
来るまでが不安なのだ。いや、真面目に。
「ともかく、久太氏は大丈夫でござるよ。拙者が保証するでござる!」
「ああ。俺らの久太なら大丈夫だって」
俺らの……か。
「俺らのリーダーは絶対不滅っすよ! 自信持って!」
「リーダー。ふぁいとっ」
リーダー……か。
俺はリーダーっぽいことをした記憶がないけれど。だけどまあ、こいつらはリーダーと思ってくれている。それはちょっと誇らしかった。
そうだ。俺もリーダーとして最後は胸を張って生きていかないとな。
「ああ。そうだな」
思わず、涙が出る。
非モテ集団がなくなることもそうだ。けれど、こいつらを離れることになると思うと寂しくて、もっと過ごしたかったという気持ちがある。俺も、この時は楽しかった。放課後みんなでゲーセンに行って遊ぶのも面白かった。
高校の時も俺が本宮に殺されかけたりとか、いろんな思い出がある。いろいろと最悪な思い出ばかりだけどね。本宮とか、三潟とか、三橋とかな。本宮が一番やばかった。殺されかけてるし……。
でも、嬉しかったこともある。空と付き合ったことだ。付き合って一年半くらい経過しているけどまだ仲睦まじく、一緒に過ごしている。
俺は空が好きだと、三潟の事件で改めて痛感した。空に振られでもしたら、俺はどうなるかわからない。
未来の事なんかわからないから今を楽しもう。
「空。好きだ」
「……ひゃあ!?」
不意打ちだったのか、空は顔が赤くなっていた。
「隆、恭一郎、光、小寄。楽しかった。ありがとう」
「いやいや、俺らも楽しかったからな」
「そうっす。楽しかったんすから」
「辛気臭い顔しないほうがいいでござる。最後は笑って!」
「……泣いてる久太をぱしゃり」
「写真撮んな!」
やっぱ、楽しかった。ちょっと、寂しくなるな。
高校編はこれで終わります。次回からは大学編となります。




