表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
156/291

怒った佳

 「久太兄さん。久しぶり」

 「久しぶり」


 夏休みのある日、杏美とお爺ちゃんが遊びに来ていた。

 

 「お爺ちゃんも、ご無沙汰しています」

 「そんな他人行儀じゃなくていいんだぞ」


 俺の頭を撫でるお爺ちゃん。いや、まだあって二回目だし、まだ慣れないというかね。

 初対面に近い相手に他人行儀じゃなくてもいいとかそれは無理だ。俺にはまだできない。会うだけでも結構緊張してるのに。


 「まあ、仕方ないか。ぼちぼち慣れてけばいいさ」

 「すいません」

 「いいんだよ。わしは偉いというわけじゃないしな」


 といって笑いながらリビングのソファに腰を掛けていた。


 「久太兄さんと会うのも二回目だね。私には慣れたかな?」


 というと、ピンポーンとインターホンが鳴る。

 俺が扉を開けるとそこにいたのは佳だった。後ろには空がいたのだった。だけれど、なんか、佳の様子がおかしい。怒ってらっしゃる?


 「あ、あの。い、いらっしゃい」

 「久太。今すぐあの女と別れなさい」

 「あの女?」

 

 あの女って誰だ?

 見当もつかない俺にしびれを切らせたのか、それともキレたのか壁を思い切り叩いていた。


 「図書室で楽しくやっていた女だよ!」

 「図書館……? ああ!」


 宮古さんの事か! って、俺は付き合ってないんだけどな……。


 「俺、宮古さんとは付き合ってないよ?」

 「嘘つけ! 空姉ちゃんはこんなに傷ついてるんだよ! ね、浮気の現場見たんだもんね?」

 

 空が頷く。

 俺は浮気なんて断じてしていないぞ!


 「何か誤解してないか? 俺はしてないぞ……?」

 「でも空姉ちゃんが見たんだよ! 久太がその宮古さんと楽しく話してるとこ!」

 「いや、あれは……。っていうか立ち話もなんだから中に入って説明するよ」






 「……ごめんなさい。私、はやとちりしてた」


 一から百まで説明して、納得してくれたようだった。


 「空も、俺は告白する勇気をくれって宮古に頼まれたからやってるんだよ。誤解させたのは悪かったけど……少しは俺を信じてください」

 「ご、ごめんなさい……」


 ベットに深く寝転がる。

 俺が寝転がると上に誰かが乗ってきた。その姿は瑞穂と杏美だった。


 「って、女の子二人に乗られてる! お姉ちゃんで遅れてるよ! ほら、さっきの罪滅ぼしにのっかってあげないと!」

 「ええ!?」


 って、重いよ。女子二人分はさすがに重い。


 「久太兄さん。この人たち誰?」

 「俺の……彼女の……ぐぅ……重い」

 「兄さん。瑞穂たちは女子だよ? 重いなんていったら傷つく」

 「お前は傷つくようなタマじゃないってことはわかってるんだよ……いいから、降りろ」


 無理やり俺の上から降ろす。


 「改めて、俺の彼女の西園寺 空とその従妹の」

 「南条 佳でーす。よろしく!」


 改めてみると本当にギャルっぽいな。優しいところはあるけれどギャル。なんで金髪なのだろうか。なんで金髪にしたがるのかよくわからない。

 というか、金髪って似合う人もいれば似合わない人もいるからな。俺は似合わないほうだ。


 「えっと、私は小鳥遊 杏美です」

 「同じ姓…ってことは従妹なんだ」

 「はい」

 「そうなの。あ、杏美。一緒に遊ぼっか。ふたりきりにしてあげよ。二人きりになると面白いもの見れるかもしれないから!」

 「……! わかった! 遊ぼう!」


 面白いものってよくわからないけどろくなものじゃなさそうだ。

 そういって、佳はみずほたちを連れて出ていく。


 「あ、あまり激しくしないようにね! 下のお爺ちゃんまで聞こえるから!」

 「何言ってんだ!?」


 あの、その段階までは未だにイケそうにないからね?








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イラストレーターとユートゥーバー 新しいラブコメ小説を投稿してみました。是非とも読んでみてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ