表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
154/291

勇気をください

 夏休みに入り、俺は宮古さんに呼ばれた。

 待ち合わせをしている喫茶店で一人待っている。コーヒーを啜っているとドアを開ける宮古さんの姿が見えた。


 「あっ、小鳥遊さん。お待たせいたしました!」

 「いや、待ってないよ」


 何の用かは知らないがとりあえず来てほしいと頼まれたので俺は来てみたのだが。

 結構おしゃれしていて可愛い。空には一歩劣るがそれでも美少女と名高い宮古さんだ。俺から見ても普通に可愛いと思える。


 「それで、用って?」

 「そのことなんですが、喉が渇いたので飲み物飲んでから出よろしいでしょうか」

 「いいよ」


 宮古さんはカフェオレとホットケーキを注文し、俺もコーヒーのお代わりを注文する。

 数分後、カフェオレが運ばれてきた。


 「ここのカフェオレ好きなんです。甘くて……とても美味しいんですよ」

 「そうなのか? 今度頼んでみるよ」

 「はい。ホットケーキも美味しいので今度西園寺さんと一緒に来てみてはどうでしょう。放課後デートとかには最適だと思いますよ」


 たしかに。放課後デートならここの雰囲気はいいかもな。


 「そ、それで、用件というか相談なのですが……」

 「相談?」

 「はい。あ、あの……私が光を好きなことはもうご存知……ですよね?」

 「ああ。そういや去年の学校祭で言ってたね」

 「はい。……その、この夏休み、私は告白をしようと思いまして……」

 「……ああ、手伝ってくれと」

 「……はい」


 顔を赤面させてぶくぶくとカフェオレを泡立てる宮古さん。

 告白するということだ。それはめでたいことだし、結ばれるように俺も頑張ってサポートしたいな。


 「私には一人で告白する勇気がなくて……ですね、その……光と仲がいい小鳥遊さんに手伝ってもらいたいなと……。だ、だめ……ですか?」

 「別にいいよ。俺もサポートするよ」

 「ほ、本当ですか!?」


 机をたたき前のめりになって驚いていた。すぐに周りの視線に気が付いたのか、赤面して座っていった。


 「告白する場所は決めてるの?」

 「は、はいっ! 決めてます! ゆ、遊園地で告白しようかなと……。ひ、光から遊園地に誘われているのでその時に……」

 「なるほど。それは何日?」

 「は、八月一日……です」


 あと一週間か……。


 「そ、それまでに私に告白する勇気をください! こ、告白する私の背中を押してください! か、彼女さんがいる小鳥遊さんにそれをやってもらいたくて……。その、あと一週間で私に覚悟をください……。勇気の出し方を教えてください」


 ……勇気の出し方、か。

 たしかに勇気出すのも勇気がいるからなあ。告白なんて自分の生活を変えるためにするようなものだし、それ相応の覚悟が必要となる。告白しようとは決めたけれど、まだ勇気がない。だから、勇気を出させてくれと。 

 結構な難題……だなぁ。なんて思いつつ、コーヒーを飲みほした。


 「勇気の出し方……。わかったよ。じゃ、まずはリラックスの方法からやっていこうか。告白するにはまず冷静さが必要となるからね。何を言うか考えられる平静さをもつように自分を鍛えないとね」

 「はい! 手取り足取りお願いします師匠!」

 「し、師匠?」

 「恋愛の師匠です! よろしくお願いしますね!」


 わかったけど師匠はやめてください。弟子取る気はないので。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イラストレーターとユートゥーバー 新しいラブコメ小説を投稿してみました。是非とも読んでみてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ