狂気を帯びた悪意
俺らはじっと手術室を見つめていると、横から声をかけられた。
「佳子。久太くん」
「空、か」
「手術、始まったの?」
「ああ」
答えた会長は今一番不機嫌だ。
「なんか、イラついてる?」
「うーん。いろいろあってな」
「なんか、珍しいね。私、佳子が怒ったところ見たことないんだけど……。なにかあったの?」
「まあ、な。ちょっとこっちにきて」
といって、俺は空を連れその場を離れる。
少し会長と距離を置き、俺は空に事情を話し始めるのだった。
事情を話すと、空の顔色がどんどん悪くなっていく。なんだか、悔しそうに。歯ぎしりをしていた。
「やっぱり来たんだ……」
「やっぱりってなんだ?」
「……これは佳子にも話したいからちょっと呼んでくるね」
といって、不機嫌な会長を連れてくる空。深刻そうな顔をして、空は話す。なんだか、空気が一層重くなったような気がした。
「実はというと、祥太郎は生きてるってことがわかったの」
といった。
空は真面目な顔でそういうものだからうっかり信じてしまいそうになる。だけれど、本宮は自殺した。ニュースでもやっていた通り、自殺したのだ。
「本宮は遺書を書いて自殺したと聞いた。生きてるわけないよ」
「いや、生きてるんだ。久太くんがマスコミに囲まれたときあるでしょ? その時、久太くんは知らないかもしれないけど、病院の玄関でお父さんと本宮のお母さんが対峙してたんだ。本宮のお母さんは久太くんを殺そうとしてたよ」
あの時、俺は憑かれて早く眠った記憶がある。その時、玄関ではそのような戦いが繰り広げられいたらしい。
「でね、お父さんが祥太郎は生きてるだろうとかまをかけると案の定態度に示したんだってさ。で、調べてみると本当に生きてたの。これが証拠の写真ね」
懐から写真を取り出す。
この日付は、本宮が自殺したとニュースで取り上げられた次の日だ。この写真に、髪色は違うけれど顔は本宮そっくりの人の姿が映っている。
本宮、なのだろう。
「なるほど。じゃあ、私の那智にあんなことをしたのは生きていた祥太郎ということか……。徹底的に叩きのめしてやる」
会長は、そういった。だけれど、次の瞬間俺らの背後から足音が聞こえる。
誰かが姿を現した。俺らは、その人物に目を疑ってしまう。
そこには、姿を消した本宮の姿があった。
「お久しぶりだね。小鳥遊 久太」
「本宮。自殺したのは嘘だったんだな」
「嘘だよ。あの程度の嫌がらせは序の口だからね」
「序の口ってことは、さらに大掛かりな嫌がらせがあるんだろ」
俺は戸惑いつつも聞いてみる。
すると、本宮は狂ったように笑い始めた。
「あはははは!! 気づかないの? もう、嫌がらせは始まってることに!」
「那智ちゃんを殺そうとしたことか?」
「それもあるね」
といった。
そういわれた会長は激昂し、本宮につかみかかった。
「てめえ、私の妹を殺そうとして……ぶっ殺すぞ」
「ぶっ殺す?」
本宮は会長の手を振りほどく。
「ぶっ殺す……。か。いいよ。ただし、僕を殺すのは小鳥遊にお願いするよ」
といって、本宮は、俺の足下にナイフを投げつけた。
最近カツゲンがマイブームになってます。飲みすぎて腹苦しい




