美少女に告白されました
俺の目の前の現実はなんなんだろう……。
いつものメンバーが後ろに控え、目の前には学校一の美少女と呼ばれる人も。
「あ!あの、好きです!久太くん!」
と、告白を受けているのも気のせい。
そ、そうだよな?
学校内で一番有名なグループがある。
そのグループはモテない非リアの集団。顔もそこそこ。というか、ちょいブスというか、微妙なやつが入っているグループ。
入ってるメンバーは
小鳥遊 久太
小波 隆
新田 恭一郎
桶川 光
の四人だ。モテないことをわかっている俺たちはモテることを諦め、自分のやりたいことをやる。
そしたら、いつのまにな非モテ集団と名付けられた。わかってるけど…なんか、認められるのは癪に触った。
「久太氏。今日もゲーセン行くんでござろう?」
「あ、うん。いく」
隆はアニメオタクだ。
深夜アニメとかに詳しい。僕もたまに見てる。
「ゲーセンよりFPSやりたいんだけど」
恭一郎は生粋のゲーマーだ。
オールジャンルいけるらしい。シューティングから恋愛ゲームまで。
「僕はアニライト行きたいっす」
光はフィギュアのコレクター。
有名な映画のフィギュアからアニメまで集めているらしい。
みんな好きなものはある。
俺は…まあ、ないんだけど。
「うむ。三人で分かれてしまったか。じゃあいつも通り久太に決めてもらうか」
「そうっすね」
「久太氏の判断に任せるでござる」
「いつも通りだね。うーん、なにがいいか…」
「ねえ」
俺がいつも通りのこと決めていると、背後から声がかけられる。
振り返ると学校一の美少女と謳われる西園寺 空さんが不機嫌な顔で立っていた。
「さっきから声掛けてるのに無視ってひどくない?」
「あ、すいません。で、俺たちに何の用ですか」
「俺たちというか、君に用があるの。ちょっと…ついてきてくれる?久太くん」
「へ?」
俺が呼ばれるとは思ってなかった。
またなんか嫌なことを与えてしまったかと思ってた。
そして、俺は連れていかれる。後ろには非モテの集団もついてきていた。
というか、久太くんって初めて名前で呼ばれた…そんなこと考えてる暇じゃない。なんで連れてかれてるの?もしかして、ボコられる?
そう考えるとなんか怖くなってきた。
あ、やべ。ちびりそう。
と、時間は戻り今の状況になっている。
「え、えーと、もっかいいって?」
「好きです!久太くん!」
告白をうける。
俺は後ろにいる隆たちと円陣を組んだ。
「なあ、これ俗にいう嘘告だよな?そうだよな?」
「そうだ。アニメのようなことなど現実には起きるはずもない。現実はクソだ!」
「恋愛ゲーみたくうまくいかねえんだよ」
「となると大体の確率で嘘告っすね」
よし、これは嘘告だ。
俺は円陣を解き、西園寺さんの方を向く。
「あー、ごめんね。俺みたいなのに告白させて。友達のやることえげつないね」
「へ?い、いや」
「まったく、俺みたいな非モテに告白とか、友達おかしいんじゃないの?辛かったよな」
辛かっただろう。
罰ゲームとして酷な課題与えすぎだろ友達さんよ。
「え、いや、私は…」
「うんうん。いいんだ。気にしないで」
これが嘘告だとするとどこかで友達は見てるだろうな。
まあ、振られるだろうし、オーケーとでも言っておくかな。
「まあ、オーケーだけど、振るならはや…」
「……はぁ。この人たちには告白も通じないの」
「ん?なんかいった?」
「いや?でもオーケーなの?言質とったからね」
「あ、うん。で?」
「好きなのは本当だよ。久太くん。あと、この後一回教室に来て、ね」
と言い残して去っていった。
好きな気持ちは本当なのか。
……えっ、本当なの?