スキルと方向性
まさかの1日2話更新。
短いのはご愛嬌という事でお願いします。
これが現実となると話は変わってくる。
『俺のダンジョンに足を踏み入れたやつは皆殺し』?アホだろそんな事できるわけが無い。
冒険者を殺さずにダンジョンを成長させるとなると。
「六花、すまないが次の説明の前に教えて欲しいんだけど良いかな?」
「私にわかることであれば。」
「人間の感情で一番効率良くダンジョンポイントを回収できるのって何?」
そう、人間の感情でも良いとなればそちらを優先する。
「それでしたら『恐怖』ですね。」
死ぬ危険もなくかつ恐怖を与えるダンジョンか。思い浮かぶのは一つ、お化け屋敷だ。
「恐怖か。」
「あの、マスター?大丈夫ですか?」
「ん?あぁ、大丈夫だ。」
思わぬところでダンジョンの方向性が決まったな。
「それではスキルの説明に移ります。」
そうだ、スキルも上手く使えばできることが増えるかもしれない。
「まず、先程のステータスのように『スキル閲覧』と念じてみてください。」
ステータス閲覧の時のように半透明の画面が現れて俺の持っているスキルのリストが映し出される。
柳 八雲 職業:ダンジョンマスター
所有スキル
・霊視 ・死霊術 ・動物会話
・命名
所有ユニークスキル
・怪異創造
・死霊育成
完全にゲームの中ボスなスキル編成です。本当にありがとうございました。
とりあえずスキルの効果を確認しよう。
霊視・モンスター以外の霊体を見ることができる。
死霊術・ゴースト、アンデッド系モンスターやモンスター以外の霊体を使役できる。
動物会話・獣系のモンスターと意志疎通を図れる。
命名・モンスターに名前を与えて強化することができる。
怪異創造・新種のゴースト、アンデッド系モンスターを創り出せる。
死霊育成・ゴースト、アンデッド系モンスターの進化先を選ぶことができる。
方向性が決まった矢先のこれである。予定調和としか思えない。ユニークスキルを活用すればやりたい放題できそうな気がしてきた。
「スキルで何か質問したいことがありましたらお聞きください。」
「霊視のスキルがあったんだけど、モンスター以外の霊体ってのは何なんだ?」
「ゴーストは生物が死んだ際、魂が周囲のマナや魔力を取り込んでモンスター化したもので誰でも見ることができますが、モンスター化していない魂は霊視スキルを持っていないと見ることはおろか感じることもできません。」
なるほどな。ゴースト系モンスターでも素材になってる魂があるのか。
「ゴースト系のモンスターが倒された場合は素材になってる魂はどうなるんだ?」
これは重要だ。なんせ相手にするのは血の気が多い(偏見)冒険者達だ。『グヘヘ!!ゴーストだ!!狩れ狩れ!!ギャッハッハ』なんてことになりかねない。
「浄化系統の魔法や攻撃を受ければ即成仏。普通に倒された場合は、成仏せずに再ゴースト化します。」
この辺はちゃんと教育すれば大丈夫か。
「次はモンスターを召喚してみましょう。」
「待ってくれ。モンスターの召喚は最後にしてほしい。ちょっと時間をかけてやりたいことがあるんだ。」
先にダンジョンを設置しておかないとモンスター召喚実験でダンジョン作成どころじゃなくなるしな。
「畏まりました。それではダンジョンの作成に参りましょう。」
いよいよダンジョン作成か。
「そういえば今ダンジョンの領域はどのくらいの広さなんだ?」
「この地点を中心として直径10キロメートルの円形です。ただ、将来的にはこの森全てをダンジョンの領域にしてほしいと言伝てを預かっております。」
「ちなみにこの森の面積ってわかったりする?」
「はい、この森は15,300平方キロメートルあります。」
範囲が大きすぎてイマイチイメージが湧かない。
「例えばだけどこの15,300平方キロメートルって広さのダンジョンを5分割して5つで1つのダンジョンってことはできるか?」
「派生ダンジョンを作るということですか?」
「あぁ、まだまだ先の事になると思うけどな。で?できる?できない?」
「派生ダンジョンを作るのはできます。むしろ推奨されていますので100分割位しても大丈夫かと。」
さすがに100分割は無理だな。でも派生ダンジョンを好きなだけ作れるならやりたい放題できるな。
俺はやりがいを見つけたような気がしてダンジョン作成に向かった。




